2014 Fiscal Year Research-status Report
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26780144
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石原 章史 京都大学, 経済学研究科(研究院), 講師 (80643668)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 契約理論 / 組織の経済学 |
Outline of Annual Research Achievements |
想定していた3つの課題、および追加的な当初は想定していなかった追加的な研究課題1つについて大きな進展があった。 (1)協力的タスクによるチームワークの形成と関係的契約についての理論研究については、最適なチームワークの度合い、他の環境パラメーターとの関連性、ケーススタディとの比較を行い、欧州での国際学会を含めたいくつかの報告を経て、完成に近づいた。 (2)タスク配分による相互監視体制と関係的契約の影響については、タスク配分を「業績指標の変化」と読み替えることが出来ることに気付き、そのような問題意識で分析を行い、基本的なモデル構築と結果の導出に成功した。 (3) パートナー組織での関係的契約の影響は当初はプリンシパルを導入しない状況での分析を想定していたが、プリンシパルをモデルで導入することで分析が進展かつ有意義な基本結果が導出されたので、これを「タスク配分と関係的契約の相互関係」という問題意識で捉えなおすことにし、関係的契約によるインセンティブ供給が行われる時にタスクを集中させるべきか幅広く配分すべきかを理論的に特徴付けることに成功した。 (4) 追加的に「逐次的にエージェンシー問題が起こるような組織で、エージェントが他のエージェントを監視できるようにすることの影響」という課題をたて、監視可能であることが必ずしも良いとは限らない、また監視可能性がインセンティブ契約の設計を大きく変更させる可能性があるなどの結果を導出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要(1)に関しては年度計画通りに進んだ。(2)(3)に関しては当初の問題意識から少し変化したものの、進捗状況としては概ね当初の予想通りの進展となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実績の概要(1)については、あとは論文を完成させ海外査読誌へ投稿を開始する。 (2)(3)については残された問題に取り組みながら研究を完成に近付けつつ、国際学会を含めたいくつかの場所での研究報告を検討している。(4)に関しては共同研究の形で追加的に建てられた課題であるが、同様に残された問題に取り組みながら論文として完成に近付ける。
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Research Products
(9 results)