2017 Fiscal Year Annual Research Report
Empirical evidence of fiscal common pool problem and municipal mergers
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26780181
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Research Institution | Musashi University |
Principal Investigator |
広田 啓朗 武蔵大学, 経済学部, 教授 (10553141)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 市町村合併 / コモン・プール問題 / 地方財政健全化法 / 財政ルール |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、研究計画の最終年度であるため、主に三本の論文の執筆及び査読付き雑誌への投稿や国際学会での研究発表を実施した。第一に、日本の市町村合併に関するコモン・プール問題を実証的に検証している。分析では、市町村合併を選択した団体が、合併を実施する直前に公共投資や地方債発行を増やしたかどうかをPropensity score matching with difference in differencesを用い、合併団体と未合併団体の傾向を考慮した上で、平均的な差を明らかにした。特に、市町村合併の際、中心となった大規模団体では、合併直前に公共投資や地方債発行額に大きな変化はなかった一方で、吸収合併される側の小規模団体は、合併直前に地方債発行額等が増大していることが明らかになった。この論文は、東京大学大学院経済学研究科にて実施された「財政・公共経済ワークショップ(2017年7月21日)に発表した後、海外査読付き雑誌であるRegional Science and Urban Economicsに掲載された(Volume 66,September 2017)。 第二に、2007年度から導入された地方財政健全化法における財政健全化指標に焦点をあてた論文では、財政ルールの効果及び会計操作についてSeemingly Unrelated Regression with Difference in Differences を用いて実証的に検証した。本論文は、2017年12月に国際学会での発表の後、修正を加えて、2018年8月に国際学会で発表する予定である。また、海外査読付き雑誌に投稿中である。 第三に、九州地方の図書館サービスに焦点をあて、市町村合併前後におけるスピルオーバー効果の発生の有無とともに、合併後にスピルオーバー効果が内部化されたかどうかを空間計量経済学の手法を用いて検証した。
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Research Products
(6 results)