2015 Fiscal Year Annual Research Report
コモディティにおけるコンビニエンス・イールドと在庫に関する理論分析及び実証分析
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26780190
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Research Institution | Ritsumeikan Asia Pacific University |
Principal Investigator |
中島 克志 立命館アジア太平洋大学, 国際経営学部, 助教 (90721572)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 金融論 / コモディティ / 在庫理論 / コンビニエンス・イールド / 先物 / オプション / ヘッジ |
Outline of Annual Research Achievements |
この研究の目的は、コモディティの現物価格、先物価格、限界在庫費用とコンビニエンス・イールドの関係を導き、さらには企業の最適な生産計画・ヘッジ戦略を導出することであった。今回の研究では、大きく分けて2つの成果を挙げた。一つは複数のコモディティにおける長期的な関係があるときにどのようにコモディティ・スプレッド・オプションが評価されるべきかということについて、もう一つはコモディティ価格の重要なキー・ファクターであるコンビニエンス・イールドそのものをモデル化した。 最初の研究では、複数のコモディティにおける長期的な関係は共和分モデルを利用し、その上で、コモディティ・スプレッド・オプションのヨーロピアンとアメリカン・オプションを評価した。このようなデリバティブはNew York Mercantile Exchangeなどで活発な取引がされており、重要な金融商品である。これは『コモディティ市場と投資戦略』第8章と“Commodity Spread Option with Cointegration”(2016)として発表した。 2点目の研究では、コンビニエンス・イールドを限界在庫費用と在庫に掛かる制約のシャドー・プライスとして特徴づけた。これまではコンビニエンス・イールドの確率過程を外生的に仮定した上で、市場データを用いて推定するしかなかったが、これによりコンビニエンス・イールドを内生的な変数として扱えるようになった。また、コモディティを利用し生産する企業の最適な生産-投資戦略についても明示的に導出をした。このため、企業に対して意義のある研究であると考えている。これは、国際及び国内学会あるいはSocial Science Research Network上で発表した。
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Research Products
(10 results)