2016 Fiscal Year Research-status Report
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26780193
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
今村 悠里 東京理科大学, 経営学部ビジネスエコノミクス学科, 助教 (40633194)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | タイミングリスク / 静的ヘッジ / 拡散過程 / 漸近展開 / バリアーオプション / Put-Call 対称性 |
Outline of Annual Research Achievements |
H28年度の研究の目的は、前年度に与えられたタイミングリスクの静的ヘッジに対して、実際に数値計算によって検証を行うこと、また国内外の研究集会・学会にて本研究に関する発表を行ない我々の手法をブラッシュアップしていくことであった。 昨年度に得られたBarsotti 氏との共同研究者であるタイミングリスクのヘッジ手法に関して論文を執筆し、雑誌に投稿した。また、Barsotti 氏との議論によって、タイミングリスクのヘッジ手法に対して漸近的に行うことができるための条件を与えた。この条件はParametrix 法における級数の収束の議論によって与えられる。通常は与えられた確率微分方程式の係数に滑らかさを必要とするが、今回の対称化に関しては領域の境界である超平面において係数の滑らかさを失うことになるが、この超平面における不連続度が十分に小さいとき、ヘッジの誤差が漸近的に小さくなるという結果を得た。この結果に関してBarsotti 氏と論文執筆中である。 また、hyperbolic Brownian Motionに対しても一次分数変換に大して分布の対象性があることを用い、これまで行ってきたParametrix 法を適用することができることを確認した。hyperbolic Brownian Motionは価格過程で広く用いられているSABRモデルの基となる確率過程であり、この分析によって、確率ボラティリティモデルに対して本研究を応用するという可能性が広がる。この研究の基礎となるParametrix 法を、hyperbolic Brownian Motionに対して行うためには展開する核をhyperbolic Brownian Motionで行う必要がある。この核に関して展開できるかどうかは明らかではない。本年度はhyperbolic Brownian Motionに関するParametrix 法の考察を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の本年度の予定通り、昨年度までの結果の論文執筆、また漸近的なヘッジ手法の論証を得ることができた。また、これまで行っていた超平面に対するブラウン運動のリフレクションだけでなく、SABRモデルのオリジナルのアイデアとなるhyperbolic Brownian Motionに対する対称化に関する鏡像原理についても応用できるのではないかという新しい方向性を得ることができた。 よって、本研究は順調に進展していることが確認できた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は以下の内容に対して研究を行い、論文を執筆していく予定である。 1. Asymptotic and exact semi-static hedges 2. 一次分数変換から得られる対称性に対して本研究を応用する
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Causes of Carryover |
招聘予定であった共同研究者のBarsotti氏の都合により実施することができず、次年度に延期することに予定が変更されたため、次年度使用額に移項した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
共同研究者のBarsotti氏を招聘し、タイミングリスクのヘッジ手法に関して打ち合わせ、また論文の執筆へ向けての計画を議論する。
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Research Products
(4 results)