2016 Fiscal Year Research-status Report
社会的企業モデルの国際比較プロジェクト―東北の被災地のモデル構築―
Project/Area Number |
26780200
|
Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
佐藤 勝典 香川大学, 地域マネジメント研究科, 准教授 (10632234)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 社会的企業 / 東北 / 被災地 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、社会的企業モデルの国際比較プロジェクトに関連して、東北の被災当事者による社会的企業モデルの構築を行い、被災地の社会的企業の発展に貢献することを研究目的としている。 研究代表者が平成27年度から東北大学から香川大学に異動したために研究の進捗が遅れている。平成28年度はモデルの構築に向けた情報収集のとりまとめを実施した。 モデル構築の対象となる東日本大震災の被災地の社会的企業の特徴としては、被災当事者の自立の手段として社会的課題をビジネスの手法で解決しようとする社会的企業は被災地において大きな役割を果たしていること、コミュニティカフェや手仕事による復興作業品の制作販売など地域資源を生かした社会的企業の運営が行われるようになっていること、外部の支援者に支えられてきた社会的企業は震災から5年が経過するにあたり運営主体の被災当事者への移管が課題となっていること、被災直後から活躍してきた優秀な人材の自立や出身地への引き上げが始まっており被災当事者の自立のためにも限られた時間においてノウハウを継承する必要に迫られていることなどが明らかになった。 これらの成果は、平成28年7月にサードセクターの国際学会ISTR(スウェーデン・ストックホルム)と平成28年9月に国際社会イノベーション学会ISIRC(イギリス・グラスゴー)で研究報告を実施した。海外の有識者から諸外国の社会的企業の状況と比較するために日本の社会的企業の特徴を明示した方がよいとのコメントを受けて、対策に時間を要しており、平成29年度に研究期間を延長することになった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者は平成27年4月から所属機関が東北大学から香川大学へ変わったことで、東北の被災地への調査を頻繁には行えず研究の進捗は遅れている。 平成28年7月にはISTRでSocial Entrepreneurship by disaster affected parties: lessons from Japanというテーマで研究報告を実施した。そして、ISTRにおけるコメントを参考に研究を修正して平成28年9月にはISIRCでSocial innovation of social enterprises were born after the Great East Japan Earthquakeというテーマで研究報告を実施した。研究代表者のこれまでの研究の成果と本研究の途中経過をまとめて、日本学術振興会産学協力研究員会経営問題第108委員会第396回研究会(香川大学)での報告を実施した。 さらには、平成29年3月には渡英してグラスゴーカレドニアン大学を訪問することで社会的企業分野の専門家から有益なアドバイスを受けた。その結果、本研究では被災地の社会的企業の状況分析を中心に研究することにした。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策として平成28年9月の国際社会イノベーション学会(ISIRC)で研究報告を行った内容を、海外の有識者からのコメントを参考にして加筆修正することで、海外学術雑誌への投稿の準備を進めている。研究費の残額は投稿にかかる英訳及び英文校正に充てる予定である。
|
Causes of Carryover |
本研究の成果として、平成28年7月にサードセクターの国際学会ISTR(スウェーデン・ストックホルム)と平成28年9月に国際社会イノベーション学会(ISIRC)で研究報告を行った。その報告内容を海外の有識者からのコメントを参考にして加筆修正するために時間がかかっている。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
現在、本研究の成果を海外学術雑誌への投稿準備を進めている段階にある。そのため研究費の残額は投稿にかかる英訳及び英文校正に充てる予定である。
|