2015 Fiscal Year Research-status Report
新規株式公開を契機とした株式所有構造と企業経営の変容プロセスに関する実証的研究
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26780211
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Research Institution | Hokkai-Gakuen University |
Principal Investigator |
赤石 篤紀 北海学園大学, 経営学部, 教授 (10364233)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 株式公開 / IPO / ベンチャーキャピタル / ガバナンス |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、これまでの研究成果を、論文3本、学会報告1本に取りまとめて公表した。そこで示した研究成果の概要は下記のとおりである。 まず、IPO企業の業績について、①IPO後に成長が鈍化し、売上高でみるとIPO+5期以降、経常利益でみるとIPO+2期以降、横ばいとなること、②収益性についてはIPOをピークとした逆V字現象がみられることを確認した。また、IPO後、③株式の分散化が進み、④IPO直前期の支配株主の株式所有を通じた影響力が減退すること、⑤所有と経営の分離が進むことが明らかとなり、IPO+12期に至っても落ち着きをみせないことも示された。 次に、子会社の上場が多いという日本特有の現象に着目し、IPO企業から創業者を含む経営陣が支配株主となる経営者所有型企業群と別会社が支配株主となる会社所有型企業群を選別して分析したところ、⑥両企業群の株式所有構造の変化の仕方、売上高成長率の変化で違いがみられたが、⑦利益成長率、収益性の変化については大きな差異が認められなかった。 そして、IPO企業の株式所有構造と業績の関係については、⑧会社所有型企業群と経営者所有型企業群で、IPO後の業績に対する株式所有構造の寄与の仕方が異なることを明らかにした。収益性に関しては、経営者所有型企業群においてのみ、IPO前後で株式の集中度が高く、IPO前に経営陣の持株比率が高い企業ほど、IPO後の収益性が高くなる。他方、成長性に関しては、会社所有型企業群のみ、IPO後の株式の集中度がプラスの影響を示す。⑨業績に対する経営陣の持株比率の影響がいずれの群でも限定的であることである。 こうした発見事実、特にIPO企業の株式所有構造の違いを踏まえたIPO後の業績に関する分析結果は、IPOの企業経営の変容プロセス、ガバナンスの効果を考察していく上で、重要な意義をもつと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成27年度は、当初の予定を変更して、平成26年度の研究成果を、論文3本、学会報告1本に取りまとめて、公表した。これに伴い、平成27年度に予定していた2つのサブテーマの検証を繰り延べることとなったため、現在までの進捗状況を「(3)やや遅れている」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度の分析を通じて、これまで構築した企業情報のデータベースの一部を調整する必要があることが明らかになった。そのため、データ調整に必要な作業を、外部者に追加依頼し、データ調整作業の円滑化を図る。
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Causes of Carryover |
当該年度における外部データベースの購入を取りやめ、より安価で柔軟性の高い外部者による専門的知識の供与(データの収集および加工)により代替したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
繰越金額は、分析を円滑にする進めるための外部データベースの購入あるいは専門的知識の供与に対する謝金に充当する予定である。
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Research Products
(4 results)