2017 Fiscal Year Annual Research Report
An empirical study on the share ownership structure and the change of management triggered by the initial public offering
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26780211
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Research Institution | Hokkai-Gakuen University |
Principal Investigator |
赤石 篤紀 北海学園大学, 経営学部, 教授 (10364233)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 株式公開 / IPO / 運転資本管理 / 安全性 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、新興・成長企業向け市場でIPOを行った非金融企業の既構築データベースの拡張、安全性および運転資本管理に係る分析を行い、研究成果の公開準備を進める年度であった。そのため、既構築データベースに、業績調整用の各年度の業種平均データ、安全性および運転資本管理に関する指標データを加えて、データベースの質的拡張を図った。 詳細な分析ならびに公表は、準備の兼ね合いから平成30年度に持ち越しとなるが、2001年1月~2016年12月までにIPOを行った製造業のうち、IPO時点で親会社の支配下にない186社の2816企業年データを用いたIPO前後の安全性および運転資本管理状況の変化に関する分析結果の一端を示すと下記のとおりとなる。 すなわち、①IPOによる自己資本の増強に伴い借入金比率が低下する、②IPOの2期間前より自己資本比率が上昇、IPO時点でピークを迎えた後に低下する、③IPOにより一時的に現金比率は上昇するものの、しばらく後にIPO前の水準に戻る、④流動比率、固定比率、固定長期適合比率で示される安全性はIPOが近づくにつれてより良くなるが、IPO後に投資がなされるために幾分悪くなる。これら①~④の結果は、IPOによる払込金の存在が安全性に寄与していることを示すが、IPO後の漸進的な安全性の向上を担保するものではないことを示す。 一方で、⑤運転資本管理の状況を示すキャッシュコンバージョンサイクル(CCC:現金循環化日数)、売上債権回転期間、棚卸資産回転期間、仕入債権回転期間には、IPO前後で統計的に有意な差がみられず、IPOが運転資本管理に特に寄与するものではないことが明らかとなった。 これらの発見事実を踏まえて、これ以降、更なる分析を加え、学会発表、学術論文の形で公表していく。
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