2017 Fiscal Year Research-status Report
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26780214
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Research Institution | Reitaku University |
Principal Investigator |
首藤 聡一朗 麗澤大学, 経済学部, 准教授 (70456284)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 中小企業 / 国内拠点 / コア・コンピタンス |
Outline of Annual Research Achievements |
改めて先行研究を精査したうえで論点を整理し、作業仮説をブラッシュアップした。その後、企業に対する聞き取り調査を実施した。 先行研究の整理にするにあたって、まずは日本の中小製造業企業の海外展開の実態とメリット・デメリットについて精査した。先行研究から、増加傾向は確認できるものの、中小製造業企業の海外展開がなかなか進展していない現状を把握できた。また、中小製造業企業にとって、経営資源の蓄積や新たなネットワーク構築などの副次的なものも含めて、様々なメリットの存在を確認できた。一方、海外展開を行う中小製造業企業には、経営資源の不足をはじめとする様々な障壁やリスクも存在することがわかった。これらの検討をふまえたうえで、海外展開を行わない中小企業製造業企業が国内拠点のみで生き残るための方向性を主に国際分業の観点をふまえて考察した。上記の整理の成果は、論文として執筆し発表した。 その後、国内のみに拠点を持つ中小企業に対して聞き取り調査を行った。まずは、郊外型の産業集積である柏工業団地に立地する企業にアクセスした。調査を行った中小企業は、金属加工、部品開発・製造、生産設備の開発・販売など様々であったが、いずれも自社のコア・コンピタンスとダイナミック・ケイパビリティを発展させながら環境変化に上手く対応していた。また、柏市の小売・卸売の中小企業に対しても調査を行った。それらの調査からは、ユニークかつ合理的なビジネスシステムの構築が競争優位の確立に寄与していることが確認できた。これらの聞き取り調査の中で、興味深い2つの企業に関して論文を作成し、発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年度は研究に時間をとることができ、調査も実施した。しかし、それまでの遅れが存在するため、全体としては遅れていると評価せざるをえない。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の期間延長を申請し認められたため、しっかりと計画を進めていく。まずは引き続き聞き取り調査を行い、その後に質問票調査を実施する。そして、研究の成果を複数の論文として執筆したうえで発表し、研究の集大成としての著書の執筆を進めていく。
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Causes of Carryover |
一昨年までの公私の事情により計画実施に遅れがでているため。研究期間延長申請を行い、認められたため、しっかりと計画を実施していく。具体的には、聞き取り調査の旅費、学会発表の旅費、質問票調査の郵送費等に助成金を使用させていただく予定である。
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Research Products
(3 results)