2014 Fiscal Year Research-status Report
企業間提携における投資期間の時間的志向の影響:ジョイント・ベンチャーの実証分析
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26780216
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
山野井 順一 中央大学, 総合政策学部, 准教授 (20386543)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ジョイント・ベンチャーのパフォーマンス / 投資期間の時間的志向 / 国際情報交換:アメリカ |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度については、ジョイント・ベンチャーの親会社間における投資期間の時間的志向が齎すパフォーマンスへの影響についての理論モデルを構築し、それを統計的に分析するための国内ジョイント・ベンチャーについてのデータセットを構築することに費やされた。 理論モデルについては、投資期間の時間的志向の研究と企業間の協調関係の研究から、親会社間に投資期間の時間的志向について齟齬がある場合、時間的志向が短い会社が長い会社でのジョイント・ベンチャーへのコミットメントと投資回収の性向が異なることで、両社の協力がより破綻しやすくなることが理論的に見出された。 データセットについては、1991年から2013年までの日本の上場企業における全子会社のデータを取得し、そこからジョイント・ベンチャーを特定する作業を行った。同時に、先行研究に基づき、親会社の投資期間の時間的志向を減価償却の性向から算出し、二社間でのその差異の変数を作成した。 上記で得られたデータセットについて、従属変数をジョイント・ベンチャーの売上高利益率、独立変数を親会社間の投資期間の時間的志向の差異とし、固定効果モデルにより分析を行った。現状で得られた予備的な分析結果としては、親会社間で投資期間の時間的志向がより大きく異なる場合、当該ジョイント・ベンチャーのパフォーマンスが低下する傾向が、定量的分析により得られた。また、この傾向は、両者が同一の産業に属するほどより強く発露していた。 また、この研究から得られた追加的な成果として、提携関係にある企業の時間的志向を変化させるようなイベントである他社の買収が、提携から期待される成果を有意に小さくすることが見出された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初期の理論モデルの構築とデータセットの作成は計画通り完了し、計画通りデータ分析を行えているため。
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Strategy for Future Research Activity |
統計的分析の結果を踏まえた上での投資期間の時間的志向の差異が齎すパフォーマンスについての影響の理論モデルの精緻化を第一義の目標として遂行する。その作業と並行して、親会社管での投資期間の時間的志向の差異とジョイント・ベンチャーの設立の関係性についても、理論モデルの構築、分析の推進を図る。
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Research Products
(1 results)