2017 Fiscal Year Annual Research Report
Inter-organizational Cooperation for Disaster Prevention and Business Continuity in the Yokkaichi Industrial Complex
Project/Area Number |
26780221
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
藤川 なつこ 神戸大学, 海事科学研究科, 准教授 (30527651)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | コンビナート / 高信頼性組織 / リスクマネジメント / 組織事故 / 組織間関係 / 組織間学習 / 人材育成 / 社会ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、高信頼性組織における不測事態に対するマネジメントおよびリスク管理の過程を、組織間関係と組織間学習の視点から考察することで、四日市コンビナートにおける防災・事業継続のための企業間連携の現状と課題を解明すべく研究を進めてきた。 研究実施の最終年度である平成29年度は、これまでに実施した調査、すなわち四日市コンビナートで開催された産業安全塾の参与観察、山陽人材育成講座および京葉臨海コンビナート人材育成講座に対するインタヴュー調査、の結果を基に、コンビナートの安全性向上のための企業間連携を通じた組織間学習の現状と課題の究明を行った。 コンビナートにおける安全性向上のための協働人材育成に関して、組織間ネットワークにおける高信頼性組織化と組織間学習の視点から考察を行った。まず、組織間ネットワークにおける組織間学習を類型化するモデルを提示した。その上で、高信頼性組織化を図るコンビナートの組織間学習の仕組みについて分析し、モデルの中での位置づけおよび特徴について明らかにするとともに、課題を提示した。この研究内容は、日本情報経営学会第75回全国大会での発表という研究成果に繋がった。 以上のように、本研究では、4年間の研究期間を通じて、組織間関係および組織間学習の視点から高信頼性組織群、特に四日市コンビナート、における防災・事業継続のための企業間連携の現状と課題の解明を行った。コンビナートは、一般的な企業に比べ、環境の不確実性が非常に高く、また一つの失敗がもたらす社会への影響も格段に大きいため、企業間連携の重要性が高い。今後ますます企業を取り巻く環境の不確実性は高まり、他企業との連携を強化していく必要がある。したがって、本研究で得られた知見は、こうした環境下に置かれた企業が安全性向上のために他企業と連携する際に有用な手引きとなりうると考えられる。
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