2014 Fiscal Year Research-status Report
自然科学系女性研究者の創造的な研究を促進するワーク・ライフ・シナジーに関する研究
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26780224
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
篠原 さやか 同志社大学, 高等研究教育機構, 嘱託研究員 (90618224)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 女性研究者 / ワーク・ライフ・バランス |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、大学・研究機関および民間企業に所属する自然科学系男女研究者への個別インタビュー調査を実施し、主に調査対象者のこれまでのキャリアやワーク・ライフ・バランスに関する質的データを収集した。具体的には、専門分野の選択や就職の経緯、現在の上司や同僚との関係性、ロールモデルの存在、育児休業制度の利用、配偶者との家事や育児の分担等について尋ねた。 さらに、量的データの分析を行い、所属学会の年次大会において研究発表を行った。2014年に民間企業および大学・公的研究機関等に在籍する自然科学系の男女研究者を対象に実施された全国調査のデータを用い、研究領域と私的生活領域における人的および物理的・制度的な資源に着目し、自己効力感や生活全体の質の向上との関連性を明らかにした後、それらが女性研究者の創造的な研究行動におよぼす相乗的な促進効果(シナジー)について検証した。その結果、職場における人的リソースである同僚との活発なコミュニケーションや、私的生活が充実しているという認識は、理系研究者・技術者の自己効力を高めることが示された。そして、自己効力感の水準が高いほど、研究者・技術者の挑戦的で柔軟性の高い研究行動が促進されることがわかった。また、同僚とのコミュニケーションの活発さは、自己効力感を介してだけではなく、創造的な研究行動を直接的に促進することが明らかになった。これらの結果から、研究領域におけるリソースと私的生活領域におけるリソースの両方が、自然科学系研究者の自己効力感を高めるために重要な役割を担うことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大学・研究機関や民間企業に所属する自然科学系男女研究者へのインタビュー調査および全国調査のデータを用いた分析を通して、今後研究を進めていく上で有益な知見を得られたため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度も、民間企業や大学・研究機関等に所属する自然科学系女性研究者へのインタビュー調査を継続するとともに、アンケート調査の実施に向けた準備を開始する。
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Causes of Carryover |
作業用のノート型パソコンの購入を次年度に見送ったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
作業用のノート型パソコンおよびパソコンにインストールする解析用ソフトを購入する。
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Research Products
(2 results)