2015 Fiscal Year Research-status Report
従業員のエンゲージメントに関する統合モデルの構築に向けた理論的・実証的研究
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26780226
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
鄭 有希 立命館大学, 経営学部, 准教授 (00468828)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | エンゲージメント / 多階層(マルチ・レベル)分析 / 高業績人的資源管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
従業員のエンゲージメントに関する研究テーマのもと、2015年度では、2014年度に行ったパイロット調査及びその結果に基づき、本調査を実施した。具体的に、東証上場企業から70社を選び(業種、規模(従業員数)などを基準に)、その企業に勤めている正規社員(1社当たり40人)を対象に質問紙調査を行った。有効回答率は57.1%(1599名)であった。同時に、マルチ・レベルの分析を行うために、70社の過去3年間の企業業績(ROA, ROE, 経常利益, 売上高など)も同時に収集した。 上記のデータに基づき、マルチ・レベル分析を行った結果、2014年度のパイロット調査から明らかになった結果と同様であった。さらに、従業員のエンゲージメントが企業業績にどのように影響を与えているのかを分析した結果、従業員のエンゲージメントは職務態度(組織コミットメント、転職意思など)を改善し、その結果一部の企業業績(特に、ROA)に有意な正の影響を及ぼすことが明らかとなった。 上記の結果の一部は、国際学会(British Academy of Management, Ashridge International Conferenceなど)において報告された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2015年度の計画では、本調査(従業員を対象にした質問紙調査)及び2次データの収集(企業業績)、データの分析、そして結果に基づき論文執筆をすることであった。 上記の2015年度の計画通り、本調査と2次データの収集が終わり、まだ一部ではあるが、既存文献及び2014年度のパイロット調査結果に基づいて立てた仮説モデルを支持する結果が得られ、さらにその一部が国際学会で報告されたので、おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
2016年度は、本研究課題の最終年度であるため、論文執筆、国内・国際学会での報告、そして国内・国際ジャーナルへの投稿を中心に研究活動を行う予定である。 また、2015年度に行った本調査(1次データ)と2次データを用いてより厳格な方法とツール(Mplusなど)でマルチ・レベル分析を引き続き行う予定である。
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Causes of Carryover |
2015年度では、学内に設けられている研究支援補助をもらうことで、当研究課題の科研費を節約することができた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2016年度は、当研究課題の完成年度でもあるので、最後のデータ収集として企業の財務データの更新が必要である。具体的に、調査対象の70社の2014年度から2015年度の財務データ収集とマルチ・レベル分析に必要とされる統計ツール(Mplus)のアップグレードなどに使用する予定である。
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