2014 Fiscal Year Research-status Report
真の優良顧客とは誰か ブランドコミュニティ論の知見をもとに
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26780237
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
山本 奈央 名古屋市立大学, 経済学研究科(研究院), 講師 (70551662)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ブランドコミュニティ / 優良顧客 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)ブランドコミュニティ(以下BC)への参加動機、(2)BCメンバーの行動、BCのイメージが優良顧客の消費行動に与える影響、(3)BCメンバーとコミュニティ外の優良顧客(以下優良顧客)との関係という三点について探索的調査を行った。今年度は主にミュージカルを上演する劇団(以下A)のBCメンバーならびに優良顧客8名に対しグループインタビュー調査を行った。いかに結果をまとめる。 (1)について、Aのファン組織を研究した宮本(2011)、和田他(2012)で述べられているBCへの参加動機ならびに消費動機を「功利的要因」「意思表明」「交流」と再整理をし、概ねこの三点に動機が集約する事を確認した。 (2)について、優良顧客がBCに参加しない理由として①他の顧客との交流を煩わしいと感じる事②あくまで出演者(ブランド)は自身と一定の距離があるから魅力的なのであり、あえてBCに入らない選択をしている事がわかった。またBCが存在する事で直接的な購買量・購買頻度への影響はないようだが、Aの場合BCを通じたチケット手配が行われているため間接的に購買の機会を失っている事を優良顧客自身が感じている事がわかった。 (3)について、①優良顧客→BCメンバー②BCメンバー→優良顧客がお互いにどのように感じているかを調査した。その結果両者とも相手の存在がブランドの活性化に不可欠だと認識している事がわかった。加えて、①について、BCがブランド消費に与える負の影響(チケットの取得がしにくくなる、BC自体のイメージによってAのファンだという事を他者に言いにくい)を意識していることがわかった。②について、BCメンバーは規範的プレッシャー(ex.Algesheimer et al. 2005)から優良顧客をうらやましく思う場合がある事、優良顧客がBCのもたらす利益にただ乗りしていると感じる事があるという事がわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は予定をしていた消費者調査のうちBCメンバーと優良顧客の菅家犬付いて、探索的調査としてインタビュー調査を行った。 その結果、BCメンバーと優良顧客が互いに影響を与え合っていることがわかった。 しかし、先行研究でも研究が進められているBCメンバー内の交流、対立については今年度行ったインタビュー内ではそれほどデータが得られなかった。 したがって、再調査もしくは先行研究を再整理し、この点について明らかにする必要がある。 その上でBCが優良顧客に与える影響について概念整理を行い、今後のアンケート調査、実証研究に向けた尺度の検討を行う。 一部データがとれていないが、本研究で最も重要な課題であるBCメンバーが優良顧客に与える影響についてのデータはとれている。また研究計画の段階でも初年度は探索的調査を行い、次年度に実証研究を行うとしていたため概ね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は探索的調査の結果をケースとしてまとめる。 さらに、先行研究の再整理ならびにインタビュー結果の再検討を行い、BCが一般優良顧客、一般消費者に与える影響についての実証研究を行う。 実証研究においてはBCメンバー、優良顧客、一般消費者それぞれに対しアンケート調査を行う予定である。その上でアンケート調査の分析結果を基に論文を執筆する。
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Causes of Carryover |
次年度に予定しているアンケート調査のための人件費、謝金ならびに研究遂行に必要な物品費、旅費があるため、次年度使用額が生じている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に消費者アンケート調査を行う。今年度のインタビュー調査の結果の検討をもとに、BCが一般優良顧客ロイヤルティ向上のメカニズムを実証する ための測定尺度についての理論的検討を再度行う。その上で仮説を導出し定量的な分析によって 実証する。
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Research Products
(1 results)