2015 Fiscal Year Annual Research Report
真の優良顧客とは誰か ブランドコミュニティ論の知見をもとに
Project/Area Number |
26780237
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
山本 奈央 名古屋市立大学, 経済学研究科(研究院), 講師 (70551662)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ブランドコミュニティ / リレーションシップマーケティング / ブランドロイヤルティ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ブランドコミュニティ(以下BC)がBC外に存在する優良顧客(以下BC外顧客)や一般消費者に与える影響を検証するものである。 ブランドコミュニティメンバー(BCメンバー)とBCに入っていない優良顧客(BC外顧客)、一般消費者の3グループ計600名に対しアンケート調査を行い以下の五点を明らかにした。第一にBCメンバーのイメージについて、BCメンバー、BC外顧客、一般消費者の順で「BCメンバーは相互扶助に熱心だ」と感じている一方、BC外顧客はBCメンバーに比べ、BCメンバーのイメージとして「排他的だ」と感じている。第二にブランドとの関係性の質(BRQ)について、BCメンバー、BC外顧客、一般消費者の順で質が高いことがわかった。その一方で、行動的ブランドロイヤルティについては、BCメンバーとBC外顧客の間に差が無く、必ずしもBCメンバー=優良顧客でないことが示唆された。第三にBCメンバー、一般消費者ではBCやBCメンバーへのネガティブイメージがブランドとの関係性の質に影響を与えないことがわかった。第四にBCメンバー、一般消費者はBCやBCメンバーへのポジティブイメージを持つほどブランドとの関係性の質が向上するのに対し、BC外顧客ではBCへのポジティブイメージだけでなくネガティブイメージの増大もブランドとの関係性の質を向上させることがわかった。したがって、BCが存在し、ネガティブイメージをもたれることが必ずしもBC外顧客に負の影響を与えるわけではないことが示唆される。第五にブランドとの関係性の質が向上するほど、行動的ブランドロイヤルティが向上すること、その際顧客分類による差はないことがわかった。したがって、「真の優良顧客」を測る尺度であると本研究で定義する「行動的ブランドロイヤルティ」の向上には、ブランドとの関係性の質の向上が不可欠であることがわかった。
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