2016 Fiscal Year Research-status Report
高製品関与型バラエティ・シーキングの理論枠組みの精緻化に向けて
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26780238
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Research Institution | Asia University |
Principal Investigator |
西原 彰宏 亜細亜大学, 経営学部, 准教授 (10634272)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | バラエティ・シーキング / 製品関与 / 関与 / 探索行動 / 情報探索 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、特定の製品カテゴリーに対する興味関心が高い状態(高製品関与状態)で生起する消費者のバラエティ・シーキング(多様性追求)を体系的に捉えるため、その探索行動としてのバラエティ・シーキングの理論枠組みを構築し、その精緻化を図ることである。 今年度は、昨年度までの先行研究レビューを踏まえ、小売企業による協力の下、小売企業が保有するパネルに対する質問調査を実施し、加えて、実際の購買データ(ID-POSデータ)を紐付けた上で高製品関与型バラエティ・シーキングを行う消費者の存在の確認を行った。 その結果として、本研究が想定する高製品関与型バラエティ・シーキングを行う消費者の存在が確認され、先行研究が想定する低製品関与型バラエティ・シーキングを行う消費者よりも人数が多い可能性があることがわかった。加えて、関与度とバラエティ・シーキング傾向をそれぞれ高中低の3水準の9セグメントに分けた中で、高製品関与型バラエティ・シーキングを行う消費者群が、最も購買金額や購買数量、購買種類が多いことがわかった。また、先行研究が想定してきたバラエティ・シーキングは、消極的な理由によるブランド・スイッチングが前提となっていたが、高製品関与型バラエティ・シーキングを行う消費者においては積極的な理由によるブランド・スイッチングが行われている可能性があることがわかった。 以上より、先行研究では取り上げられてこなかった高製品関与型バラエティ・シーキングについてその動機や個人特性の解明に加え、製品特性を明らかにしていくことで、メーカーや小売企業において、製品カテゴリーの売り上げ増や品揃え戦略に関して少なからず寄与するものと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
主要な理由として、調査協力企業の開拓および協力体制の確立などが遅れたため、当初計画の遅延や変更が生じた。 また、研究を進めていく中で、製品カテゴリーの特性(製品特性)についても、探索行動に関わる研究、バラエティ・シーキング研究からその要因を整理し、複数の製品カテゴリーにおける実際の購買データからも確認をしていく必要性が生じた。この点に関しては、広く、製品カテゴリーやその中のサブカテゴリーを含めて、外的要因(例えば、製品特性、品揃えの幅や深さ、嗜好性の程度など)に関して整理する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
探索行動としてのバラエティ・シーキングの規定要因の中でも、特に外的要因の確認のために、探索行動に関わる研究やバラエティ・シーキング研究における外的要因を整理しながら、ID-POSデータの行動データを用いて様々な製品カテゴリーならびにサブカテゴリーにおける実態把握を行う。 加えて、これまでの研究のまとめを行っていく。
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Causes of Carryover |
人件費や旅費に関しては、大学の図書館にて資料収集など無償で行ってもらえる環境が出来たこと、交通費のかからない会場で学会が開催されたことなどから必要がなかった。その代わり、データ分析において必要となるID-POSデータの購入代やその分析用のPCなどの購入代が必要となり、物品費を計上している。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度は、Web調査実験システム「Sen」を用いた調査費代に充てたい。
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Research Products
(2 results)