2015 Fiscal Year Research-status Report
ものづくり新時代における消費者の経験価値創造に関する理論的・実証的研究
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26780241
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| Research Institution | Tokyo Keizai University |
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Principal Investigator |
森岡 耕作 東京経済大学, 経営学部, 准教授 (30609194)
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| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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| Keywords | 消費者による価値の創造 / 経験価値 / 消費者クリエイティビティ |
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| Outline of Annual Research Achievements |
2000年代初頭以降、消費者による価値創造の重要性を指摘する研究が多く登場し、学術的かつ実務的な注目を集めている。しかしながら、それら研究のほとんどが概念的研究の段階に留まっており、結果として、現実に起こっている消費者による価値創造を適切に説明しきれていない状況にある。そこで、本研究は、その問題を克服すべく、消費者の製品使用時における経験に着目し、（1）その価値を測定するための尺度を開発し、（2）その価値が何によって引き起こされ、また、何をもたらすのか、ということを明らかにすることを目的にしている。
このような目的に照らして、昨年度までは事例収集および文献研究に取り組み、研究の鍵概念となる「経験価値」の概念的整序を行った。それに続いて本年度は、実際に経験価値の測定尺度を開発すべく、予備的に複数の調査および実験を行った。その結果、首尾よく経験価値を測定するための尺度を識別することができた。加えて、その過程において、新たに、消費者クリエイティビティに着目して研究を展開する可能性を見出し、更なる消費者による価値創造に関する理論的・実証的展開を期待できるようになった。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、（1）事例収集と理論的検討、（2）消費者が創造する価値（経験価値）の尺度開発とその精緻化、およびその規定因・帰結に関する仮説構築、そして（3）消費者の価値創造に関する包括的モデルの実証分析、という３つの段階に分けられる。そのうち、昨年度までに第２段階の一部までを終了していた。それに続いて本年度は、経験価値を測定するための尺度を開発し、その精緻化を進めることができた。加えて、「消費者クリエイティビティ」という新たな概念によって首尾よく、経験価値中心にした因果モデルを構築する可能性を見出し、仮説構築の段階にまで進むことができている。したがって、当初の計画通り、本年度までに第２段階までを完遂できており、研究はおおむね順調に進展していると判断される。
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| Strategy for Future Research Activity |
今年度は、これまでに開発した経験価値に関する測定尺度を用いて、消費者がいかにして経験価値を創造しているのかというこを明らかにする。具体的には、新たに注目すべき概念として浮上してきた消費者クリエイティビティとの関連性を理論的かつ実証的に検討する。さらに、そうすることによって、実際に広く行われている「企業と消費者との共創活動（co-creation activities）」を首尾よく説明するモデルの構築が可能になると期待できる。
そして、上記の研究展開を国際学会において発表することによって精緻化しつつ、最終的に複数の論文にまとめて、公刊する。
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| Causes of Carryover |
当初、経験価値の尺度開発において、調査会社を利用したウェブ調査を実施してデータの収集に当たる予定であったものの、実際は、便宜サンプルを利用したより安価な質問紙調査によって代替したために、当初の計画額と使用額とに差が生じた。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
経験価値とその他の関連概念との理論的・実証的検討に際しては、安価な便宜サンプルではなく、その一般化可能性を高めるために広く実際の消費者に調査することが求めれる。そこで、当初の計画とは異なるものの、最終年度においてより広範な消費者調査を行うべく、調査会社へのウェブ調査を計画している。
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