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2015 Fiscal Year Research-status Report

原価企画の逆機能問題に関する学際的研究

Research Project

Project/Area Number 26780251
Research InstitutionOita University

Principal Investigator

加藤 典生  大分大学, 経済学部, 准教授 (50555068)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywords原価企画 / 逆機能 / 心理学 / 文化 / 生活様式 / 家屋構造 / 日本的管理会計 / 曖昧さ
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、原価企画をどう実施すれば、意図しない結果(逆機能)が生じないかを心理学、マーケティングといった学際的な視点から解明するとともに、そこで果たす管理会計の役割を明らかにすることである。この目的に従い、本年度は、原価企画の逆機能が日本的な経営上の問題も含んでいることから、この問題を解決する手掛かりの一つとして、日本的管理会計の特徴とその背景を、文化概念に含まれる生活様式に着目しながら検討してきた。
結果、日本的管理会計とは、日本的経営の中で用いられる管理会計の使われ方(あるいは使われなさ)を意味し、原価企画の最大の順機能とされるコスト低減の視点から見れば、協働の促進、会計情報と非会計情報の併用による実体管理、僅かな差異に敏感で徹底した品質へのこだわり、レイアウト効率の向上をより推し進めるところに、日本的管理会計の特徴が見られた。
そうした日本的管理会計、日本的経営の特徴の背景の一端には、日本の生活様式の中で育まれてきた、受容、和、柔軟な思考、家族主義、繊細な精神性、曖昧さ、察する能力、自然性、水平志向にあるのではないかという可能性を明らかにした。すなわち、それらが協働を促進したり、アレンジを容易にしたり、徹底した品質へのこだわりやレイアウト効率を向上させる土壌として育まれてきたといえよう。
一方、近年の情報技術の発達が速すぎて、日本文化が持つ曖昧さや察する能力が、企業経営の中で違和感ないし不調和になってきており、それが協働の阻害であったり、会計と非会計との不調和であったり、品質問題に見られることを指摘した。本年度の研究では、日本の生活様式から生じる文化的特質に馴染み難いやり方に、十分に配慮がなされていない場合には、望ましい目標につながり難い可能性を明らかにした。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成27年度の研究計画は、原価企画を実施する上で意図しない結果(逆機能)が及ぼす影響や生じる原因、またそこでの管理会計の役割を実態調査を踏まえながら検討することを主としており、複数の企業等にインタビュー調査等を行うことができ、その研究成果の一部は、論文に反映されている。

Strategy for Future Research Activity

平成27年度の研究では、日本の生活様式から生じる文化的特質に馴染み難いやり方に、十分に配慮がなされていない場合には、原価企画をはじめとした活動の中で望ましい目標につながり難い可能性を明らかにした。
このことを踏まえ、今後の研究の方向性としては、日本の文化的特質である生活様式をさらに深く検討したり、また、日本の文化的特質が原価企画の逆機能問題に関連するならば、言葉に反映された文化も視野に入れた検討が求められる。
平成28年度の研究計画は、環境変化が原価企画に及ぼす影響を実態調査を主として検討することから、上記の視点も考慮して取り組むことで、本研究をより推進できると考える。

Causes of Carryover

物品費に関しては、本年度に資料収集よりも調査結果の検討等を優先して研究したことにより、今後本研究課題において必要になる資料購入を翌年度に遅らせたからである。
旅費に関しては、早割航空券を利用できたことで支出額を抑えられたことと、企業調査等が企業側の都合もあって、翌年度に持ち越すことになったからである。

Expenditure Plan for Carryover Budget

物品費に関しては、主として原価企画、研究開発、心理学、マーケティングなど、原価企画の逆機能問題に関連する文献等の購入を予定している。
旅費に関しては、主として九州、関東といった地域を中心に原価企画の実施状況についてインタビュー調査を行うために使用する。

  • Research Products

    (2 results)

All 2016 2015

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Acknowledgement Compliant: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 日本的管理会計の特徴とその背景:文化概念に含まれる生活様式に着目して2015

    • Author(s)
      加藤 典生
    • Journal Title

      経済論集(大分大学)

      Volume: 67 Pages: 29-59

    • Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
  • [Presentation] 原価企画の逆機能問題に関する一考察:文化概念に含まれる生活様式に着目して2016

    • Author(s)
      加藤典生
    • Organizer
      日本会計研究学会九州部会
    • Place of Presentation
      九州産業大学(福岡県福岡市)
    • Year and Date
      2016-03-26

URL: 

Published: 2017-01-06  

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