2016 Fiscal Year Annual Research Report
Security Price Response to Accounting Information in the Financial Crisis
Project/Area Number |
26780263
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Research Institution | Nagoya University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
眞鍋 和弘 名古屋外国語大学, 現代国際学部, 准教授 (40509915)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 会計学 / 実証モデル / 内的正当性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は資本市場に基づく会計研究における分析手法の内的正当性を検証した。内的正当性とは,標本,実証モデル,および推定方法などに基づく統計的推論が分析対象の母集団において適切であることを意味する(stock and Watson, 2011)。特に,回帰分析の内的正当性は次の2つの条件を満たすことを求める。すなわち,(1)母集団パラメータの推定量が不偏性および一致性を持ち,(2)その標準誤差に基づく区間推定および仮説検定が設定された有意水準を持つ 。本研究は特に不偏性の観点からvalue-relevance研究における分析手法について検討する。 多くの実証研究により会計情報の機能およびその限界が解明されてきた。特に,資本市場に基づく会計研究は1950年代まで支配的であったプラグマティックな規範理論に基づくドグマからの脱却に一翼を担った。その後も実証研究は膨大な証拠を提供しつづけ,会計研究に大きな貢献を果たしている(Brown, 1993; Ball and Brown, 2014)。それらの実証結果は現行基準の問題点等の指摘を通じて,少なからず制度設計に影響を与えている(Lev, 1989; Holthausen and watts, 2001; Barth et al., 2001; Kothari, 2001; Kothari et al, 2010)。今日では,これらの実証フレームワークは本研究課題でも用いられいる。 資本市場に基づく会計研究における実証手法の問題点が近年においても指摘され続けている(Barth and Kallapur, 1996; Brown et al, 1999; Easton and Sommmers, 2003; Barth and Clinch, 2009)。多くの先行研究は採用する実証モデルの合理性を示す代わりに,複数の実証モデルを併用することによりこの問題に対処する。しかし,それらの実証結果が十分な一貫性を有さないとき,再び同様の問題に直面する。当然のことながら,本研究課題においても実証研究においてモデルの特性とその限界についての理解を避けることはできない。
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Research Products
(4 results)