2017 Fiscal Year Research-status Report
非正規滞在者の社会統合を目指す歴史比較社会学的研究
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26780272
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
朴 沙羅 神戸大学, 国際文化学研究科, 講師 (40726973)
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Project Period (FY) |
2015-03-01 – 2019-03-31
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Keywords | 移民史 / 人種主義 / ナショナリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度は7月から出産・育児に伴い一時的に研究の中断を余儀なくされたものの、出版・口頭報告とも例年通り行った。7月にはナカニシヤ出版から博士論文を元にした単著『外国人をつくりだす』を出版し、11月には「入国管理体制と「外国人」概念:「日本型排外主義」再考」を『ソシオロジ』第62号2巻に、また3月には英語論文「Documenting the undocumented: State identification of non-nationals in post-war Japan」を国際的なpeer review雑誌であるSocial Theory and Dynamics(vol.2,pp. 94-108)に、また同月には査読付き学術論文を上智大学国際関係学部編集の『コスモポリス』に、それぞれ出版した。 このほか、まだ出版はされていないが研究集会報告を関西学院大学の紀要に掲載されることが確定しており、すでに校了している。 国際学会での口頭報告(査読付き)については、2018年3月に‘Ideology or racism?: The historical origin of immigration control regime in post-war Japan’を25th International Conference of Europeanists, (InterContinental Chicago Magnificent Mile, Chicago)にて行った。また来年度に国際社会学会・世界大会(International Sociological Association World Congress 2018)・国際オーラルヒストリー学会・世界大会(XX International Oral History Association Conference)の査読に通過しており、口頭報告がすでに決定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
妊娠・出産に伴う中断があったが、にもかかわらず単著・学術論文・紀要・口頭報告などにこれまでの研究成果を形にして出すことができている。また乳児を連れてもインタビューやフィールドワークを可能なかぎり行い、研究に必要なインタビューを少しずつではあるが集めることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後もこれまで通り、研究課題に対応したフィールドワーク、インタビュー調査を行い、また国際学会での口頭報告を行う。すでに2018年6月には国際オーラルヒストリー学会での報告が、7月には国際社会学会での口頭報告が決定している。 なお、海外・国内での学会報告や調査時の託児費用を科研費から一部でも出すことが可能であれば、これまでも、またこれからも、少なくとも2割以上多くの業績を出すことができるだろうと確信している。しかし日本学術振興会及び所属大学等がそれを認めていないため、女性研究者なり子供を持つ研究者なりを支援する気があるとは思われない。
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Causes of Carryover |
2017年8月に出産したため、同年6月1日から年度末まで出産・育児のために研究を一時的に中断したため。 今年度は6月に国際オーラルヒストリー学会での口頭報告を行い、その際にフィンランドにおける移民政策と戦後処理プロセスについて調査を行う。7月には国際社会学会世界大会での口頭報告を行う。これらの報告結果は学術論文としてまとめ、その英文校正費用としても使用する。
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Research Products
(5 results)