2014 Fiscal Year Research-status Report
沖縄の反基地運動と米軍黒人兵の連帯の力学-太平洋を横断するネットワークの視点から
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26780274
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大野 光明 大阪大学, グローバルコラボレーションセンター, 特任助教 (80718346)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 沖縄 / 黒人 / 反戦運動 / 連帯 / 軍隊 / 越境 / ベトナム戦争 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は1960年代後半から70年代前半の沖縄における、住民の反基地運動と在沖縄米軍基地所属・黒人兵による反戦運動との連帯の経験を、太平洋を横断する運動・思想のネットワークという新たな視座から検証することを目的としている。研究内容は、(1)米国政府及び米軍当局による、沖縄での米兵の抵抗運動の管理政策と実施状況の分析、(2)沖縄の黒人兵による運動の歴史と内容、米本国の黒人解放運動との連関の検討、(3)沖縄住民の反基地運動と黒人兵による運動との連帯の実態や米軍当局による管理との相克に関する検証、という3つの柱からなる。 本年度は、主に(2)と(3)に焦点をあてた史料調査を行なった。第1に、これまで沖縄県公文書館や運動関係者から収集した史料や先行研究の成果を分析し、沖縄におけるベ平連運動と反戦米兵の運動との関係を事例として、考察した。その成果を単著『沖縄闘争の時代1960/70』(人文書院、2014年10月)にまとめた。しかし、黒人兵やそれを支援した米国内の運動の動きについては概括的な理解にとどまった。 そのため、第2に、沖縄の反基地運動と米兵の運動とをつなぐ重要な役割を担ったPacific Counseling Service(PCS)に注目し、カリフォルニア大学バークレー校に所蔵されているPCS史料のアーカイブを調査した。また、PCSや黒人米兵の運動が生まれた背景を理解するため、サンフランシスコ、バークレー、オークランドでのフィールドワークも行なった。あわせて、米国内の黒人研究や社会運動史研究などの分野で、関連する先行研究・文献も調査した。その結果、米国西海岸を中心とした人種、戦争、差別、大学などをめぐる諸運動が網の目上に形成され展開されるなか、米本国とベトナム、そして沖縄とのつながりが問題化されていったことが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度に予定していた米国現地調査や史料収集はおおむね順調に実施することができた。想定していたよりも膨大な史料が確認されたため、それらを整理し、読み込み、分析をするまでには至っていない部分もある。
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Strategy for Future Research Activity |
2014年度に収集した史料の整理と分析をさらに進めるとともに、沖縄(公文書館等)及び米国内(UCバークレー等)での史料調査や聞き取り調査を継続する。その上で、米国政府及び米軍当局による、沖縄での米兵の抵抗運動の管理政策と実施状況の分析を進める。また、米国の反戦運動(特にPCS)がなぜ沖縄を活動の拠点としたのか、どのような活動を実施したのかについて分析結果をまとめ、発表したい。研究計画の変更は特にない。
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Research Products
(6 results)