2015 Fiscal Year Research-status Report
少年犯罪の社会問題化とその収束に関する社会学的研究
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26780289
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Research Institution | Otsuma Women's University |
Principal Investigator |
牧野 智和 大妻女子大学, 人間関係学部, 講師 (00508244)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 少年犯罪報道 / 新聞 / 雑誌 / 神戸・連続児童殺傷事件 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度(二年目)は、神戸・連続児童殺傷事件の活字メディア分析に引き続き取り組み、年度末に論文として刊行された。論文には、一年目における二つの研究計画、すなわち「新聞メディアにおける「ニュース・フレーム」の形成過程と相互影響性」「雑誌メディアにおける「ニュース・フレーム」の形成過程と相互影響性」の二計画に関して、前者については前年度に調査した全国紙に加え、神戸の地元紙『神戸新聞』を新たに加えて全国紙・地方紙間の紙面構成の比較を行った。後者については、新聞紙面構成の比較結果を踏まえてやはり比較を行った。本年度における当初課題であった「少年犯罪報道の2000年代、2010年代の活字メディア分析」についても、論文冒頭に調査結果を繰り込み、当初の計画を達成することができた。 併せて、アウトリーチ的な活動として、ウェブ媒体『現代ビジネス』(講談社)において、本研究の成果の一部を一般向けに提供する小連載を行った。三回の連載内容は、少年犯罪報道の戦後史、神戸・連続児童殺傷事件の再分析、犯罪報道の国際比較であり、それぞれ四万~八万ページビューを稼いだことから、一定の成果をあげたといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度における分析開始の遅れを取り戻し、本年度までの課題であった活字メディアの分析を終えて成果物を複数発表することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
2015年度に行った日本教育社会学会発表時において、犯罪報道のテレビ分析を行った研究者と同部会になった。その研究者らとコンタクトをとり、分析方法の検討を十分行ったうえで、最終年度の課題である犯罪報道の分析に従事したい。また、同学会発表時における質疑応答、ウェブ記事への反応等から、少年犯罪報道の変容は、被害者報道、犯罪とはいえないものの耳目を集めた青少年関連の事件などからも併せ考える必要を痛感した。最終的な成果にまとめていく際は、より総合的な知見を提出できるよう、既刊行論文をアップデートしていく必要があると考えられる。
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Causes of Carryover |
「人件費」「その他」の残額が大きいが、これらのうち「人件費」については、資料の整理作業を部分的に自分で行ってしまったことが大きな理由としてある。また「その他」に計上予定だったコピー代について、2000年代以降のものはオンライン新聞検索で記事収集を行えたことも理由である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究自体に傾注できるよう、単純作業等については「人件費」を今まで以上に積極的に活用したい。また、本年度は東京開催の学会が多く、旅費を半分程度しか使用できなかったので、次年度の学会参加を活発にしていきたい。
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Research Products
(10 results)