2014 Fiscal Year Research-status Report
介護サービスおよび要介護状態の地域差に関する実証的研究
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26780301
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大澤 理沙 東北大学, 経済学研究科(研究院), 教育研究支援者 (70633957)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 介護サービス / 市町村データ / 要介護認定率 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、介護サービスおよび要介護状態に地域差があることを示し、その要因と両者の関係を実証的に明らかにすることを目的としている。特に、介護保険の保険者である市町村を単位として地域差を捉え、市町村の政策決定が介護サービスおよび要介護状態の地域差に与える影響に着目して分析を行う。 今年度における研究成果は2つある。第1に、保険者別の介護サービスデータの収集・整理を行ったことである。これらのデータは、市町村の介護サービスおよび要介護状態に地域差があることを定量的に示すための基礎資料となるものである。保険者別の介護サービスデータは、介護保険制度開始後の2000年から、現時点で入手可能な2012年までの「介護保険事業状況報告」より入手した。同様に、市町村の地域属性を表すデータとして、高齢化率、人口密度、所得、医療サービスの供給状況等に関するデータを収集した。 第2に、収集・整備したデータを用いて、2011年に発生した東日本大震災が要介護状態に与えた影響に関する分析を行ったことである。東日本大震災が市町村の要介護認定率に与えた影響を明らかにするため、DID推定量を用いた分析を行った結果、震災以外の地域的な要因をコントロールしたうえでも、震災が被災地域における要介護認定率を高めていることが明らかになった。このことを踏まえて、今後は地震等の自然災害の影響を考慮した上で、介護サービスおよび要介護状態の地域差に関する分析を行っていくものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
介護サービス及び地域データの収集・整備、介護サービスおよび要介護状態の地域差に与える要因の分析については計画通りに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究では、2000年から2012年の「介護保険事業状況報告」の保険者別の要介護度別要介護認定者数のデータを用いて、要介護状態の推移確率を推計する。推計によって得られた推移確率の地理的分布を可視化する。
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Causes of Carryover |
今年度は学会報告を行わなかったため、旅費および報告に使用するためのノートパソコンの購入は次年度に行う。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額は、学会報告のための旅費とノートパソコンの購入にあてる。
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Research Products
(1 results)