2018 Fiscal Year Research-status Report
独居高齢者がケアサービスに関する情報を得て選択し利用する過程での支援のあり方
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26780307
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
松本 佳代 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 助教 (70452878)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 意思決定支援 / 独居高齢者 / 認知症 / サービス選択 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は「医療・介護・福祉サービスを必要とする独居高齢者がタイムリーに情報を得て、サービスを選択し利用しやすいシステムをつくること」である。そのために、まず①独居高齢者ケアに携わる専門職、②独居高齢者および家族に対して半構成的インタビューを行い、独居高齢者がサービスの情報を得て利用に至るプロセスにおける現状と課題を明らかにしたいと考えている。 平成30年度は、高齢者のケアマネジメントにかかわっている居宅介護支援事業所のケアマネジャーへのプレインタビューを行い、本人の意思を尊重したケアマネジメントがうまくいった事例ではどのような工夫をしたのかについて、経験を共有してもらった。その中で、家族の意向と本人の意思との間でずれが生じた場合の対処についても示唆が得られたため、考察に活かしていきたい。 また、前年度に引き続き、一般社団法人日本意思決定支援ネットワークの活動に参加し、南オーストラリア州の支援付き意思決定・意思決定支援モデルを日本に普及するためのプログラム開発等に取り組んだ。このモデルでは、意思決定における本人の権利を尊重し、ファシリテーションスキルにより本人の心からの希望を引き出し、その実現に向けてサポーターや地域の社会資源と本人をつないでいく。意思決定支援ガイドラインにおける「意思形成支援」「意思表出支援」「意思実現支援」の3つのプロセスをカバーするとともに、このプロセスを通して、本人を支える周囲の人々や地域住民の意識を高める地域開発モデルとしての意義があると学んだ。これらの学びを、独居高齢者が望む暮らしを実現するためのケアマネジメントのあり方について分析する際に活かしたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
所属機関の人員不足が続き研究に割ける時間が著しく減ったこと、および専門職および独居高齢者本人への研究協力依頼がスムーズに進まなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
独居高齢者の支援にあたる専門職(地域包括支援センター職員や居宅介護支援事業所のケアマネジャー、病院の退院支援看護師、NPO法人等)へのインタビューを進め、得られたデータを分析しながら理論的サンプリングを進める。そして専門職の紹介を受けて独居高齢者へのインタビューを実施したい。
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Causes of Carryover |
研究の進捗が遅れており、外部へのインタビュー調査が実施できていないため。
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