2015 Fiscal Year Research-status Report
中山間地域で暮らす高齢者の医療に関連する福祉ニーズの評価指標の開発
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26780314
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Research Institution | University of Kochi |
Principal Investigator |
鈴木 裕介 高知県立大学, 社会福祉学部, 助教 (20612005)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 医療福祉 / 要介護高齢者 / 中山間地域 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,中山間地域で暮らす要介護高齢者の医療福祉ニーズの構造を明らかにすることである.調査地域は,人口減少率,高齢化率が著しく高く,県土の84%が森林面積を占め,典型的な中山間地域が数多く存在する高知県の8地区とした.調査協力者は中山間地域に暮らす要介護高齢者である.調査方法は,調査地区のデイサービスセンター及び自宅訪問による質問票を用いた個別面接調査法である.調査期間は,2014年8月~2014年11月である.回答は,196名から得られた. 中山間地域で暮らす要介護高齢者の医療福祉ニーズとして設定した31項目について,回答選択肢を5段階スケールとして医療福祉ニーズがあると感じているほど高得点となるように配点した.次に,中山間地域で暮らす要介護高齢者の医療福祉ニーズの構造は,実際,どのような構造であるのかを明らかにするために,因子分析(プロマックス回転を伴う主因子法)を行った.因子負荷量が低い項目についてその意味と内容を考慮しつつ検討し,0.40以下の項目を削除した.その結果,9項目を除く計22項目から構成された5因子が抽出された.これらの統計分析には,SPSS22.0J for Windowsを用いた. 第一因子は,【役割変化に関する困りごと】と命名した.第2因子は,【住環境に関する困りごと】と命名した.第3因子は,【療養生活費に関する困りごと】と命名した.第4因子は,【情報アクセスに関する困りごと】と命名した.第5因子は,【社会資源量の不足に関する困りごと】と命名した.また,各因子の内的整合性を確認したところ,Cronbachのα信頼係数は第1因子.842,第2因子.913,第3因子.809,第4因子.775,第5因子.679であり,信頼性が確認された.今後は「中山間地域で暮らす要介護高齢者の医療福祉ニーズ」とその関連要因について分析する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画以上に進展している理由は,調査協力者の協力依頼がスムーズに進み,調査を早く行うことができたことに伴い,分析も滞りなく行うことができたためである.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,得られた調査結果について分析していく.具体的には,本研究で明らかになった「中山間地域で暮らす要介護高齢者の医療福祉ニーズ」とセルフエスティームやソーシャルサポートの関連について重回帰分析を行う予定である.
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Causes of Carryover |
出張費が余ったことにより、わずかに未使用額が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ほぼ予定通りに使用しているので、計画に変更はない。
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