2016 Fiscal Year Annual Research Report
Status and support for homeless persons with mental disorders
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26780322
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
佐藤 絵 (清野絵) 東洋大学, 福祉社会開発研究センター, 客員研究員 (00584385)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 精神障害者 / ホームレス / 路上生活者 / 生活困窮者 / 貧困 / 就労支援 / 精神疾患 / 障害者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、精神障害者のホームレス問題を解決・予防するために、精神障害のある生活困窮者の現状と、効果的な支援、予防のあり方を明らかにすることを目的とする。目的1として、精神障害のある生活困窮者の実態と、生活困窮状態に至るプロセス、その要因を調査する。目的2として、精神障害のある生活困窮者への支援について調査する。目的3として、精神障害のある生活困窮者への先進的な支援について調査する。平成28年度は、(1)先進事例の調査、(2)研究代表者が他機関で行ったアンケート調査を含めた精神障害者のホームレス問題に関する総合的検討、(3)ツール開発を行った。(1)について、文献調査、インタビュー調査を行った。(1)では、精神障害とホームレス問題の研究が発展している米国の文献をレビューした。また、精神障害とホームレス問題に関して日米の研究の国際比較を行った。結果、日本における精神障害のある生活困窮者の支援に関する先進事例としては、「安定した住居の提供を優先するハウジングファースト」、「生活支援を提供する支援付き住宅」、「ホームレス状態にある人への心理的・精神医学的介入」、「経済的自立のための就労支援」等が効果的である可能性が示された。(2)では、国内の制度や調査を踏まえて精神障害者の貧困・社会的排除の実態と支援について総合的に検討を行った。その結果、精神障害者は障害のない人と比べて経済的に困窮していること、より詳細な実態把握が必要だが、障害や貧困の定義を踏まえた詳細な調査の実施の難しさがあること、支援者が考える効果的支援として「障害者手帳の取得」、「継続的包括的支援「生活保護」等が明らかになった。(3)支援ツールとして、米国のカスタマイズ就業の研究成果を参考に支援者の協力を得て就労支援テキストを作成した。今後、精神障害のある生活困窮者の実態のより詳細な把握と、支援の進展が期待される。
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