2016 Fiscal Year Annual Research Report
A study of support methods intended to facilitate social inclusion for homeless people who find self-reliance difficult.
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26780323
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
後藤 広史 日本大学, 文理学部, 准教授 (60553782)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ホームレス / ホームレス自立支援センター / 再利用者 / 自立困難層 / 全国調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、「自立困難層」のホームレスの実態と要因を包括的に明らかにし、それをふまえて彼らの社会的包摂に向けた支援のあり方を検討することである。この目的を達成するために、本研究では、ホームレス自立支援センターの「再利用者」に着目し、以下の2つの調査を行った。 ①全国25ヶ所の自立支援センターに対するアンケート調査および職員へのインタビュー(平成26年度実施)。②再利用者に対するインタビュー調査(平成27年、平成28年度実施)である。①の調査からは、自立支援センターの再利用が全国レベルでも一定数みられること、再利用者は生活保護の受給経験率も高く、様々な施策を利用しながらも「自立」に至っていないこと等が明らかになった。この成果は、論文(「ホームレス自立支援センター再利用者の実態と支援課題」)にまとめた。②は、18名の再利用者にインタビューを行うことができた。調査からは、再利用者にも支援施策に「依存」しているように見える層と、自立心が高すぎるゆえに、最後まで支援を使うことを忌避する層に2分されることが明らかになった。この成果の一部は、論文(「生活困窮者自立支援の今後の展開―地域福祉とホームレス状態にある人々の支援」「若者の貧困問題と支援のあり方―ホームレス自立支援センターの利用者に着目して」にまとめた。 なお、研究計画では、③福祉事務所に対するアンケート調査も行う予定であったが、公的機関へのアンケートという調査遂行上の困難から、実施には至らなかった。 本研究は、これまで明らかにされてこなかったホームレス自立支援センターの実態を、全国レベルで数値によって明らかにした点に意義があると思われる。②の調査に基づいた更なる詳細な分析は今後の課題である。なお、調査遂行中に協力を申し出ていただいたある自立支援センターのケース記録を現在データベース化している。今後の研究計画に活かしたい。
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Research Products
(3 results)