2014 Fiscal Year Research-status Report
精神障害者リハビリテーションとしてのクラブハウスモデルに関する日韓中の比較研究
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26780327
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Research Institution | Chubu Gakuin University |
Principal Investigator |
加藤 大輔 中部学院大学, 人間福祉学部, 講師 (00647604)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | クラブハウスモデル / リハビリテーション / 精神障害者 / 国際比較 / 国際基準 / 韓国:中国 |
Outline of Annual Research Achievements |
26年度は日本、韓国、中国における精神保健福祉の現状と、各クラブハウスを取り巻く現状を明らかにするために、実態調査およびヒアリング調査を行った。
1.実態調査:アジア地域で活動しているクラブハウスの実態を把握し、クラブハウスモデルの本質、普遍性やリハビリテーションモデルとしての可能性を明らかにするための基礎的データを収集するために実態調査を行った。調査はアンケート形式で行い、Clubhouse International(本部:ニューヨーク)が用いている「Clubhouse Profile Questionnaire:CPQ」の内容にほぼ沿ったものとした。33ヶ所に送付し20ヶ所から回答があった(日本5ヶ所、韓国9ヶ所、中国本土3ヶ所、香港1ヶ所、台湾2ヶ所)。今回の調査はアジア地域のクラブハウス全体の実態を明らかにするための貴重なデータになると考えている。調査結果の概要については、日本クラブハウス連合が作成した「第4回 アジアクラブハウス会議(東京)2014報告集」の中に掲載されている。
2.ヒアリング調査:中国および韓国でヒアリング調査を行った。中国は杭州にある「Chaoming Clubhouse」、韓国はソウル市にある「Taiwha FountainHouse」「Sunrising Clubhouse」「Saebeot Clubhouse」「Seodaemun Haebeotnuri」に訪問し、施設長らから各クラブハウスの実態等についての聞き取りを行った。現在、ソウル市では4ヶ所のクラブハウスが活動しており、今回のヒアリングでは4ヶ所すべてに訪問することができ、地域の状況、クラブハウスの運営実態、具体的な活動内容、抱えている課題等について詳しい内容を聞き取ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
26年度は、日本、韓国、中国の精神保健福祉の変遷・現状・クラブハウスの実状を把握するために、実態調査とヒアリング調査を中心に実施した。 1.実態調査については、第4回アジアクラブハウス会議が2014年8月に東京で開催されたため、日本クラブハウス連合と連携しながら、アジア地域で活動しているクラブハウスに対して実態調査を行った。 2.ヒアリング調査については、韓国のソウル市で活動している4ヶ所のクラブハウス、中国の杭州で活動しているクラブハウスへ訪問し、関係者(施設長、メンバー、スタッフ)からヒアリングを行った。 3.関連する文献等の収集も取り組み、韓国および中国のクラブハウスに関連する資料を収集しながら、それぞれの国の精神保健福祉およびリハビリテーションに関する論文等の翻訳を行った。
上記のように、予定していた実施計画に沿った研究活動を行えたことを踏まえ、「(2)のおおむね順調に進展している」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度は、下記の3つの内容を中心に研究を実施する。
1.前年度に引き続き、韓国および中国のクラブハウスに訪問し、ヒアリング調査を実施する。韓国においてはプサン市や大田広域市、中国においては長沙市で活動しているクラブハウスを対象にする予定である。 2.クラブハウスモデルの実践および現状をグローバルな視点から捉えるために、米国のコロラド州で開催される「第18回クラブハウス世界会議」へ参加する。ただ、時期等は未定であるが、27年度中に中国国内のクラブハウス会議の開催が予定されている。中国国内のクラブハウス会議はこれまで開催されたことがないため、中国におけるクラブハウスの実態把握や情報を収集するためには貴重な機会となる。よって、中国国内のクラブハウス会議の開催が決定した場合には、積極的に参加する方向で検討する。 3.研究成果等については、関連学会の分科会で口頭発表する。
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Causes of Carryover |
概ね予算通りの支出となっているが、物品費・消耗品費を抑えた結果と考えている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の消耗品費の中で使用する方向で計画している。
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Research Products
(4 results)