2015 Fiscal Year Research-status Report
物語説得のプロセスモデルの構築-物語への移入に注目した検討
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26780338
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Research Institution | Shitennoji University |
Principal Investigator |
小森 めぐみ 四天王寺大学, 人文社会学部, 講師 (40706941)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 物語説得 / 移入 / 態度変化 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は実験研究を2件、調査研究を1件、学会発表を2件(そのうち海外発表を1件)、論文投稿を2件実施した。実験研究の一つ目は、前年度に行ったパネル調査の手続きを参考とする、物語説得における被影響性と個人差の関連を調べる質問紙実験を実施した。実験研究の二つ目は、2012年に発表した研究の独立変数の操作方法を変更した追試を実施した。調査研究はBusselleらによって作成されたnarrative engagement尺度の翻訳共同研究を実施した。前年度に関西社会心理学研究会で結果の一部を発表した主題プライミングの実験は追加分析を行って日本社会心理学会で学会発表を実施したのち、四天王寺大学紀要に投稿した(2016年3月に刊行)。2016年1月には前年度のパネル調査の再分析結果について、アメリカ性格と社会心理学会で発表を行った。また、物語説得研究の展望論文を執筆し、「心理学評論」誌に投稿した。こちらは現在審査中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度中の投稿がかなわなかった物語説得の展望論文の投稿ができたこと、昨年度に実施した研究について学会発表と論文投稿の両方ができたこと、3度のデータ収集ができたことから、順調に進展していると評価した。ただし、実験研究については統制された刺激の準備に若干の遅れが生じているため、その点に留意しつつ同様のペースで今年度も進めたい。
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Strategy for Future Research Activity |
2015年度は潜在尺度を用いた研究と疑念の抑制を調べる研究が実施できなかった。これらはプロセスモデルを構築する上で重要であるため、本年度中(できれば前半)に実験研究を実施する。少なくとも一つは実施して、その結果を海外学会で発表する。また、初年度に実施したパネル調査を海外学会誌に投稿する(現在執筆中)。そのほか、本年度が科研費の最終年度であるため、3年間の研究成果をふりかえり、今後の課題を明らかにしたい。
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Causes of Carryover |
当初予定していたよりも旅費がかからなかったため、差額が1796円生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
APA GOLDで入手できない心理系学術雑誌(たとえばPsychological Science、Journal of Experimental Social Psychology)の掲載論文入手にあてる予定である。
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