2014 Fiscal Year Research-status Report
不公平分配に対する反応の個人差と心理・神経基盤の解明
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26780345
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
高岸 治人 玉川大学, 脳科学研究所, 助教 (90709370)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 公平性 / 社会性 / 利他性 / 経済ゲーム / 脳活動 / 感情 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、不公平な分配に直面した参加者が示す反応の心理・神経基盤の個人差を明らかにすることにあった。2014年度は、前半に大学生を対象とした約200名の参加者プールを作成し、後半に行動実験(最後通告ゲーム、および独裁者ゲーム)、および質問紙を実施することで、参加者のタイプ分けとそれらの行動の心理的基盤を検討した。最後通告ゲームは、2者で行う経済ゲームであり、参加者は相手プレイヤーが決めたお金の分け方を受け入れるか拒否するかを決定した。独裁者ゲームも2者で行う経済ゲームであり、参加者は相手プレイヤーとの間でお金をどのように分けるかを決定した。実験では、参加者が意思決定をする直前に感情を喚起させるような刺激を提示することで、それぞれの行動反応が変化するか否か、そして変化した場合どのような心理傾向が媒介しているのかを検討した。課題後に、参加者は評価懸念尺度、社会的価値指向性尺度、自閉症傾向尺度といった心理尺度の回答を行った。実験の結果、評価懸念傾向が高い人では、最後通告ゲームで感情を喚起させる刺激を提示した場合、不公平分配を拒否するようになることが明らかになったが、評価懸念傾向が低い人ではそのような効果は見られなかった。また他の心理尺度はそのような関連を示さなかった。実験結果は、現在英語論文として投稿中である。今後は、これらの行動指標から参加者をいくつかのタイプに分類し、不公平分配に直面した際の脳活動を測定することで、不公平分配に直面した参加者が示す反応における心理・神経基盤の個人差を明らかにしていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
参加者をタイプ分けする際にかなりの人数の参加者が必要となるため、参加者のリクルートに多くの時間を要したが,予定通りの人数のリクルートをすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度も参加者の確保を重点的に行うと共に、脳活動を測定する実験の準備を行う。
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Causes of Carryover |
Society for Personality and Social Psychology(2015年2月26日から28日)の旅費精算が年度内に終わらなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
SPSP2015の旅費精算を速やかに行い、残りは実験で仕様する消耗品の購入に充てる。
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