2015 Fiscal Year Annual Research Report
不公平分配に対する反応の個人差と心理・神経基盤の解明
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26780345
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
高岸 治人 玉川大学, 脳科学研究所, 助教 (90709370)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | fMRI / 経済ゲーム / 公平性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は最後通告ゲームを実施している際の脳活動をfMRIによって測定する実験を実施した。39名の参加者が最後通告ゲームで受け手の役割になり、異なる分配者と36試行ゲームをプレイした。分配者は1000円を自身と参加者の間でどのように分けるかを決め、参加者はそれを受け入れるか拒否するかを決めた。分配者の分け方は36試行中、12試行が500円(分配者)500円(受け手),6試行が600円(分配者)400円(受け手)、6試行が700円(分配者)300円(受け手)、6試行が800円(分配者)200円(受け手)、6試行が900円(分配者)100円(受け手)であった。また昨年度実施した独裁者ゲームの結果に基づいて参加者を公平分配群(平均40%以上を提供)、不公平分配群(平均40%未満を提供)の2群に分けて、それぞれの群において不公平提案の拒否行動と関連する脳部位の特定を実施した。分析は、脳活動と脳形態の比較を行った。脳形態の結果においては、公平分配群においては扁桃体の体積が大きい人ほど不公平提案を拒否する傾向が見られたが、不公平分配群においてはそのような傾向は見られなかった。また公平分配群においては前頭前野背外側部、頭頂・側頭結合部の体積が大きい人ほど不公平提案を拒否する傾向が見られたが、不公平分配群においては逆の結果が得られた。脳活動に関しては現在分析を進めているところである。本研究結果は、最後通告ゲームにおける拒否行動のメカニズムは、公平な人と不公平な人においては異なることを示している。
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