2014 Fiscal Year Research-status Report
中高年者の自己複雑性;社会関係が主観的well-beingに与える影響の調整効果
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26780346
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Research Institution | Tokyo Woman's Christian University |
Principal Investigator |
中原 純 東京女子大学, 現代教養学部, 研究員 (20547004)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 高齢者 / 自己複雑性 / 活動理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、複雑化する社会的ネットワークや多重役割といった、従来の活動理論(AT)では明確にしきれなかった社会関係の交絡要因がSWBへ与える影響を考慮するために、自己複雑性(SC)因果モデルを生成し、その妥当性を検討するものである。因果モデルの骨子(仮説)は、「肯定的自己複雑性(P-SC)の高い人〔否定的自己複雑性(N-SC)の高い人〕は、ネガティブな事象に対して、個別の役割に対する評価が高く〔低く〕維持されやすいため、SWBは低下しない〔低下する〕」とした。 平成26年度から27年度にかけて、中年者(300名)および高齢者(300名)を対象とした集合法による質問紙調査を実施する予定であったが、研究代表者の家庭事情の変化(0歳児の育児等)により、平成26年度はこの調査を開始することができなかった。そのため、平成27年度に調査をすべて行うこととした。調査内容は、基本属性、最近1ヶ月のネガティブ・ポジティブな事象、役割アイデンティティ、主観的well-being、自己複雑性に関する尺度である。分析はSEMを用いて行う。 なお、平成26年度は調査の実施は行わなかったが、社会心理学に関する国際学会(Society for Personality and Social Psychology)にて、高齢者の自己概念に関するプレゼンテーションを行い、自己複雑性に関する研究を行っている他国の研究者と最新の知見を議論した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
中高年を対象とする調査は、当初の計画から平成26年度から平成27年度にわたって実施することになっていたが、平成26年度に開始できなかったことは研究がやや遅れていると思われる。理由としては家庭状況の急な変化(0歳児の育児)により、研究代表者が研究を遂行するための時間を持つことができなかったためである。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度に実施できなかった調査および平成27年度に予定していた調査を実施する。対象者は調査会社(日本統計調査株式会社;Ipsosを予定)に登録する中年者(41歳から60歳の男女)300名および高齢者(71歳から90歳の男女)300名を予定している。調査内容は、基本属性(年齢、性別、最終学歴、主観的経済状況、主観的健康状態、配偶者・子ども・友人の有無・人数・接触頻度)、最近1ヶ月のネガティブ・ポジティブな事象、役割アイデンティティ、主観的well-being、自己複雑性などである。研究代表者の所属が東京女子大学から聖学院大学に異動したため、調査の実施場所(当初は東京女子大学での集合法による調査を予定していた)に関しては現在調整中である。
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Causes of Carryover |
平成26年度に実施する予定であった調査を実施できなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成26年度に実施できなかった調査を平成27年度中に実施し、平成26年度未使用額は、全てこの調査に使用する。対象者は調査会社(日本統計調査株式会社;Ipsosを予定)に登録する中年者(41歳から60歳の男女)300名を予定している。調査内容は、基本属性(年齢、性別、最終学歴、主観的経済状況、主観的健康状態、配偶者・子ども・友人の有無・人数・接触頻度)、最近1ヶ月のネガティブ・ポジティブな事象、役割アイデンティティ、主観的well-being、自己複雑性などである。
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