2016 Fiscal Year Annual Research Report
Designed communication to intervene environmental contexts that induce risk behaviors of consumption
Project/Area Number |
26780350
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Research Institution | Konan Women's University |
Principal Investigator |
大友 章司 甲南女子大学, 人間科学部, 准教授 (80455815)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 行動変容 / 消費行動 / 買い控え / スティグマ / フィールド研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、リスク消費行動を生じさせる文脈的環境に応じた行動変容のコミュニケーション・デザインを提唱することを目的としている。平成28年度は、福島産の農産物の買い控え行動の解消のデザインド・コミュニケーションのフィールド研究を実施した。具体的には、産地に対するシンボリックな心的表象が買い控えの反応のプライミング源として作用するプロセスを検討するため、食品として肯定的な印象を抱きやすい国産、原発事故により不安な印象を抱きやすい福島産、食品全体に不信感が強い中国産の3つの産地情報を設定した。研究では、産地の食品イメージの感情的評価を媒介要因として仮定し、従属変数に購買意図および仮想市場法によるWTPを測定した。さらに、生鮮食品として桃の買い控えの反応を対象にした研究1、産地シンボリックな心理特性の特性の食品とは独立して生じることを検討するため加工品であるグラノーラを対象にした研究2を実施した。研究1と2ともに、福島産の農産物の大量消費地である首都圏在住の調査モニターを対象に、家事を主に担当している人を募集した。サンプリングは、20代から50代の年代層ごとに、シンボリックな心的表象源(国産vs.福島産vs. 中国産)へランダムに配置する300名規模で行った。 その主な結果として、桃を対象にした研究1において、感情的評価、購買意図、WTPのいずれも心的表象源となる産地の違いが見られた。同様の結果は、グラノーラを対象にした研究2でも確認された。したがって、食品に対する忌避的なスティグマ反応には、感情的評価が関与し、購買意図やWTPといった買い控え行動に影響を及ぼすプロセスが示唆された。以上の研究成果により、買い控え行動の抑制にむけた広告デザインのコミュニケーションのあり方について提唱を行う。これまでの研究成果の一部は、日本心理学会およびヨーロッパ健康心理学会において発表予定である。
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Research Products
(4 results)