2015 Fiscal Year Research-status Report
検索練習による記憶の促進および抑制効果の生起要因の検討
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26780356
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Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
山田 陽平 奈良教育大学, 教育学部, 講師 (50708518)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 検索練習 / 抑制 / 英単語学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,英単語を効率的に学習していくプログラムの開発を最終的な目標とし,その前段階として,同時に学習するのに最適な単語の組み合わせを実験により明らかにするものである。近年の研究により,繰り返しの検索練習を行うことがその単語の長期的な保持につながることがわかっている。さらに,同時に学習する単語の組み合わせによっては一部の単語の検索練習が検索練習しない単語の記憶を促進したり(思い出しやすくする),抑制したり(思い出しにくくする)することもわかっている。ただし,これらの研究は外国語の単語の学習では検討されていない。そこで本研究では,同時に学習する単語同士の意味的な類似性を操作して,促進的な効果が大きく抑制効果が小さい組み合わせを明らかにする。2年目は,初年度に選定した単語を用いて実験を行った。類似度を変数として三つの基準(類似度 高・中・低)を設定し,検索練習による促進効果および抑制効果について検討した。その結果,類似度が高い場合には促進効果,類似度が中程度の場合には抑制効果が生じた。類似度が低い場合は検索練習による正負の効果はいずれも認められなかった。本実験の研究成果は二つの国際会議(ICOM6,ICP2016)で平静28年度に発表予定である。ただし,実験参加者数が20名であるため,次年度にはさらに追加して実験を行う予定である。さらに,中程度の類似度をより細かい基準(類似度 中高・中中・中低)で分類し,検索練習による効果をより詳細な基準で明らかにする予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は,初年度に選定した材料を用いて実験を行うことが目的であった。本実験に入るまでに数回の予備実験を行うことになったため,本実験の参加者数は予定よりも少ない状況である。また申請者の異動により予定していた時期に実験を行うことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平静28年度は,27年度の実験を引き続き実施する。次に,中程度の類似度をより細かい基準(類似度 中高・中中・中低)で分類し,検索練習による効果をより詳細な基準で明らかにする予定である。
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Causes of Carryover |
実験に関わる謝金,研究成果発表にかかる旅費および英文校閲費等を使用しなかったためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
主たる使用計画として,実験に関わる謝金,成果発表のための旅費,英文校閲費を予定している。
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