2017 Fiscal Year Annual Research Report
Understanding how learner explanations influence conceptual change and proposing appropriate instructions
Project/Area Number |
26780363
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Research Institution | Tokyo Future University |
Principal Investigator |
小林 寛子 東京未来大学, モチベーション行動科学部, 講師 (40722210)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 説明活動 / 概念変化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,概念変化に有効な説明活動の指導法について検討することを目的としている。具体的には,概念変化は「誤概念では現象を上手く説明できないという不満を抱く」第1段階と,「教授された科学的概念であれば不満を解消するに足ると理解する」第2段階からなることに着目し,各段階に有効な説明活動を明らかにして,それを促す介入方法を提案しようとするものである。 4年の研究期間のうち,1年目は概念変化の第1段階,2年目は第2段階に焦点化した研究を行った。それらの研究成果をもとに3年目には,概念変化の段階ごとに最適な説明活動を組み込んだ授業プランを提案し,効果を検証した。その流れを受け,最終年度となった今年度は,提案した授業プランに基づいた実践研究を学校場面で積み重ねてきた。小学校の先生方と相談しながら,さまざまな学年と教科で,概念変化を促すために「予め持っていた考えはどこがどのように間違っていたのか」,「それに対して新しく学んだ知識はどう優れているのか」を説明させる活動を取り入れた授業を計画・実施して,その効果を検討した。 また,最終年度であることを意識し,2年目に行った研究を論文にして投稿(採録済),3年目に行った研究を学会発表するなど,これまでの研究成果のまとめと報告に努めた。そうした中で,学習者が自身の考えの不足に気づき,科学的概念を求める行動を自ら起こした場合には,求める概念を複数の媒体(テキストやインターネットなど)上で発見する可能性が高いこと,複数の媒体に分散している情報を統合することは難しく,これまでに提案した介入方法ではその難しさを克服できないことに思い至った。そこで,この難しさを克服する説明活動のあり方についての検討を追加した。これにより,新しい概念を作り上げるプロセスについて詳細に検討でき,より有効な介入方法を提案することができたと考える。
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