2015 Fiscal Year Research-status Report

青年中後期における他者軽視の発達的意義とその脱却の諸条件

Research Project

Project/Area Number	26780366
Research Institution	Nihon Fukushi University
Principal Investigator	小平英志日本福祉大学, 子ども発達学部, 准教授 (00442228)
Project Period (FY)	2014-04-01 – 2018-03-31
Keywords	他者軽視 / 仮想的有能感 / 縦断調査 / 課外活動
Outline of Annual Research Achievements	本課題の目的は、4年間の縦断調査をもとに、他者軽視傾向が青年期中期の段階的社会参加に及ぼす影響について検討することであった。2015年度は、2年生を調査対象とするTime2調査を実施する計画であり、予定通りに調査が実施された。Time2調査では、他者軽視、自尊感情、課外活動への参加（部活動・サークル活動・アルバイト・ボランティア活動の状況）、自己変容の希求傾向等について測定する質問紙調査が実施された。Time1調査データとTime2調査データのマッチングが可能であった140名について、他者軽視傾向の増減（潜在差）と部活動・サークル活動、アルバイトやボランティア活動との関連を解析したところ、他者軽視傾向が高まっている青年ほど部活動・サークル活動の所属数が多い傾向がみられた。これは他者軽視傾向が早い段階の社会的参加においてポジティブな効果を持ちうるという仮説を支持するものであった。この研究成果については、2016年7月に開催される 31th International Congress of Psychologyにて発表を行う予定である。なお、2014年度に実施したTime1調査のデータについては、日本心理学会第79回大会で発表し、その成果を論文化した（日本福祉大学研究紀要「現代と文化」に掲載）。
Current Status of Research Progress	Current Status of Research Progress 2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned. Reason 予定した調査を計画通りに実施しており、研究成果の公表も順調に進めているため。
Strategy for Future Research Activity	2016年度はTime3調査の実施を予定している。Time3以降の調査では、就職活動やキャリア形成に関する質問項目を盛り込み、調査用紙を作成していく。定期的な調査の実施と並行して、2時点、3時点の解析を進めていく。2017年度に予定しているTime4調査では、郵送法を用いた調査を行うべく、準備を行う。研究成果については、これまで通り学会報告及び論文化を進めていく。
Causes of Carryover	関連学会への参加のための旅費が、開催地の関係で安価で済んだことなどが主な要因である。
Expenditure Plan for Carryover Budget	計画通り、仮想的有能感・青年心理学に関する書籍や資料の購入、調査用紙作成のためのプリンタトナーおよび印刷用紙、国内・国際学会の発表費用・旅費、データ整理のための文具および人件費に研究費を使用していく。特に繰り越し分については、新しい統計解析法に対応した統計パッケージの購入、次年度以降に予定されているデータ収集会社を利用した調査の費用として充てていく予定である。