2019 Fiscal Year Annual Research Report
Maternal parenting and infant's attachment:Maternal focus on infant's mental states
Project/Area Number |
26780367
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Research Institution | National Institute for Educational Policy Research |
Principal Investigator |
篠原 郁子 国立教育政策研究所, 生徒指導・進路指導研究センター, 主任研究官 (30512446)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | アタッチメント / 乳児期 / mind-mindedness / 視線計測 / 親子関係 / 発達心理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、乳幼児期の子どもが養育者との間に安定したアタッチメント関係を形成するために、どのような特徴を持った養育が行われることが肯定的影響を持ちうるのかを検討することである。 本研究では、養育の特徴として、養育者が乳児の心的状態(感情、思考、欲求、意図など)をどのように考え、行動や発声などからどのように読み取ろうとするのか(mind-mindedness:以下MM)に着目した。生後半年頃の乳児を育てる母親のMMを実験により測定した。このMM測定実験時に母親が乳児の行動(ビデオ映像)のどの部分に着目して乳児の心的状態を報告するのか、視線情報を計測した。また、約1年後に追跡調査を実施し、母子間のアタッチメントの安定性を測定した。 当初計画していた研究期間中に研究中断を行ったため、実験と観察の実施ができた母子サンプル数が小さく、計画していた追跡調査については調査協力者の一部のみに実施した。2時点でデータを得た母子数からはアタッチメント安定性との直接的な関連について十分な分析ができなかったが、MM測定時の視線情報取得実験に関しては、子どもの月齢、年齢の範囲を拡大した養育者を対象とした実験も行った。母親のMMと乳児のビデオ視聴時の情報探索パターンとの関連を分析し、乳児ビデオ刺激からより多くの心的状態を読み取る母親は、ビデオ刺激として提示される乳児の顔や手以外の部分にも視線を向けている傾向が認められた。
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