2016 Fiscal Year Annual Research Report
Research on the contemporary issues of Baum test
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26780382
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Research Institution | Tokoha University |
Principal Investigator |
佐渡 忠洋 常葉大学, 健康プロデュース学部, 講師 (60510576)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | バウムテスト / 樹木画テスト / 理論 / 発達研究 / 幹先端処理 / 比較文化 / 早期型 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、バウムテストに関する以下の4つの現代的問題を解決し、バウムテスト理論を洗練させ、実践者と研究者に対して信頼に足る知見を、実践で有益な参照枠として機能する知見を、提供することである。この4課題とは、これまでの調査研究・文献研究から導き出されたものである。それは、①昔の知見は現在どれほど活用可能であるのか、②集積された知見が実際の子ども理解に寄与できるのか、③多くの解釈仮説が複雑な要因をあまりに排除しているが、バウム表現を一線型的にだけ理解しない理論が必要ではないのか、④指標の解釈仮説が洗練されていないのではないか、である。 平成28年度は本研究の最終年度であった。上記①~④の課題を解決すべく、文献研究と調査研究を行い、国内外の学術大会で発表するとともに、順次論文として発表した。そして、上記の課題を十分明確化しつつ、すべてとはいえないにしても一部の課題は解決することができ、国内外のバウムテスト実践者に役立つ知見を配信することができた。 ①については、中学生と大学生の今昔のデータを比較し、バウム表現の時代的差異を明らかにすることで、従来の知見のどの部分に注意しつつ、今日の臨床実践に挑むべきかを論じた。②については、中学生の知能とバウム表現との関連を検討し、Kochの早期型から知能を推測することには限界があることを論じた。③については、バウムのどの形態部でどの程度「ゆらぎ(=可変性と不可変性)」を有するか、10種の調査を通じて検討し、「ゆらぎ」の構造の一部を実証した。④については、幹先端処理に着目しつつ解釈仮説の洗練を、比較文化研究と実験研究から行った。 研究を進めるにあたり、バウムテスト研究において不可避と思われた課題にも取り組んだ。その一部も論文として発表した。
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