2016 Fiscal Year Research-status Report
認知症の鑑別診断に役立つ自発性瞬目パラメータの検討と評価法の開発
Project/Area Number |
26780388
|
Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
澤田 陽一 岡山県立大学, 保健福祉学部, 助教 (50584265)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 自発性瞬目 |
Outline of Annual Research Achievements |
我が国は超高齢社会を迎え、年々増加する認知症高齢者に対する適切な支援/ケアが求められている中で、専門医の不足や診断に必要な情報の不足、さらに早期診断の難しさ等により、認知症の誤診がしばしば認められ、その後の当事者の生活における適切な支援/ケアが制限されている状況にある。そこで本研究では、認知症の鑑別診断に役立つ新しい診断ツールの開発を企図して、近年、中枢神経系のドパミン活動を反映する非侵襲性のマーカーである自発性瞬目の鑑別診断への利用可能性を中心に検討している。そのために従来から用いられてきた瞬目率だけではなく、新たに開閉瞼時間、両眼瞼同期率、頭部運動/体動を伴う瞬目比率、瞬目変動等のパラメータを用いて、それらと認知機能との関連を検討することにより、種々の認知機能の低下と特異的に関わる自発性瞬目の特性を明らかにしようしている。認知機能は近年、前頭葉との関連が示唆されている遂行機能に着目し、自発性瞬目の各パラメータとの関連を検討している。遂行機能は先行知見によれば、更新、抑制、転換の3つの機能に集約されており、それらを中心に検討を進めている。現在までに主に、若年者(大学生)60名と高齢者(60歳以上)7名からデータを取得し、最終年の今年は高齢者を中心にデータを取得し、比較検討することを目指している。高齢者のデータ取得には若年者よりも時間がかかるため、40名程度を目指して現在、データ取得に努めている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
初年度の研究遂行に関わる実験器材の調達に時間を要し、それらのセットアップおよび使用方法の理解にも時間がかかり、実験着手が遅れたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在、遅れを取り戻すべく、実験を進めているところである。既に若年者60名および高齢者7名のデータを取得済みであり、最終年の今年度は、高齢者を中心に複数のデータを取得し、分析を進める予定であるため、大幅な遅れを取り戻せるものと思われる。
|
Causes of Carryover |
初年度からの実験機器の整備の遅れおよび計画の見直しが影響し、予算の執行が遅れたためである。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
高齢者のデータ取得には時間と経費がかかるため、当該経費に充当する。
|