2015 Fiscal Year Research-status Report
アルコール依存症者に対する受容に基づく認知行動療法プログラムの開発
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26780394
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Research Institution | Surugadai University |
Principal Investigator |
高岸 百合子 駿河台大学, 人文社会・教育科学系, 講師 (40578564)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 心理療法 / 認知行動療法 / アルコール依存症 / セルフヘルプグループ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、アルコール依存症の自助グループにおいて導入するのに適した認知行動療法プログラムを開発し、その有効性を検証することを目的としている。従来のようにコントロールを強化することを旨とするプログラムではなく、不快な内的体験を受け入れることを主旨とするプログラムを作成することをめざす。プログラムおよび実施マニュアル作成過程で、フォーカスグループによる評価・修正を経てプログラムを精錬させ、完成したプログラムを用いてウェイティングリストによる割り付け試験を行い、プログラムの効果を検証することを研究期間を通じての目的としている。 本年度は、アルコール依存症の自助グループである断酒会会員3名の協力を得て、計8回のフォーカスグループを開催し、プログラムの各回の内容や実施形式について検討を行った。集団形式にて行う全8回のプログラムとして、テキストの骨子と内容の詳細について合意が得られた時点でフォーカスグループを終了し、続いて、同自助グループの会員を対象として、オープントライアルを開始した。3月末日時点で、1クール8回のセッションが終了しており、6名がプログラムを完遂している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初計画では、自助グループの少人数集団を対象としてプログラムの予備的な実施を行うのは平成28年度の計画としていたが、その前段階のフォーカスグループでの検討が順調に運んだことから、計画を早めてオープン・トライアルを行った。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度前半においては、オープン・トライアル時に採取したデータ(心理測定尺度の数値、各セッション内で行われたインタラクション、参加者の満足度)の解析を進め、プログラムの資料及び実施方法の適切性の検討を行う。並行して、割り付け試験開始に向けた準備と参加者のリクルートを行う。リクルートについては、埼玉県断酒新生会及び東京断酒新生会に協力を仰ぐこととする。また、オープン・トライアルの3か月後フォローアップ面接を行う予定である。 平成28年度後半からは、準備が整い次第、割り付け試験を開始する。また、国内の学術集会において、オープン・トライアルの成果報告を行う。
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Causes of Carryover |
研究計画段階で心理測定尺度として使用予定であった、日本語版POMS短縮版、SF-36、BDI-IIの購入を取りやめ、測定尺度を再考することとした。そのため、平成27年度に支出を予定していた心理測定尺度購入費を次年度に繰越すこととした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記の事由のため、平成28年度において、使用する心理測定尺度を選定し、購入する予定である。
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