2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of the optimal role lettering on the alleviation of anger in university students: focusing on the differences of the imaginary other
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26780397
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
金築 智美 東京電機大学, 工学部, 准教授 (40468971)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 特性怒り / ロールレタリング / 怒り対象焦点型 / 受容他者焦点型 / 組み合わせ効果 / 継続的施行 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度では,前年度に実施出来なかった受容他者焦点型RL(以下,受容他者RL)群9名の実験を実施した。その結果,前年度までに収集した他の3群(①怒り対象焦点型RL(以下,怒り対象RL),②怒り対象RL2回と受容他者RL2回を組み合わせたRL(以下,組み合わせRL)群,③統制群)のデータと合わせ,2要因(介入(4群)×測定段階(プリ/ポスト/フォローアップorプリ/ポスト)の分散分析を行った。 その結果,特性怒りについては,怒り対象RL及び受容他者RLにおいて,3週間後のフォローアップの時点で有意に低減していることが分かった。また,怒りの自己陳述については,怒り対象RLが他の群と比べて著しい効果を示した。さらに,単独のタイプを継続的に実施する方が,想定する他者を組み合わせて行うよりも,優れた効果を発揮することが示唆された。 以上から,平成27年度から平成29年度における介入実験から得られた知見を総合的に踏まえると,大学生の怒りの変容には,怒り対象RLが適しているといえるだろう。ただし,平成29年度の研究結果から,受容他者RLにおいても長期的効果が認められたことにより,怒りを対象としてRLを行う者の心理的準備状態や好み等も考慮しながら,双方のRLを活用していくことが望ましいといえるだろう。さらに,特性怒りの変容を目指すために,RLを施行する場合には,どちらか一方の対人関係に焦点を当てたRLを継続的に行う方が,より有効であると考えられる。
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