2015 Fiscal Year Research-status Report
ダイエット実践における自覚的認知と行動の相違が減量効果と精神的健康に及ぼす影響
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26780399
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Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
矢澤 美香子 武蔵野大学, 人間科学部, 講師 (40635710)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ダイエット / 若年女性 / 自覚的認知 / 過食 / 健康行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、若年女性を対象に、“自分はダイエットをしている”という自覚的認知と実際のダイエット行動との一致、不一致に着目して、個人の心理特性と精神的健康やダイエット効果との関連性を明らかにし、個人差を考慮した効果的なダイエット方略についての新たな情報提供に繋がる知見を得ることを目的とした。 27年度は、研究1-2として、健康的なダイエット方略測定尺度(Healthy Diet Strategies Questionnaire:HDSQ) についての妥当性、信頼性の検討、因子構造の検討、およびダイエットの自覚的認知の相違によるダイエット方略と過食の特徴について検討を行った。 はじめに、研究1-1で作成されたHDSQの原項目について、心身医学を専門とする医師1名とダイエット指導を行っている管理栄養士1名より専門的見地からの意見を得て、項目の内容的妥当性について十分な検討を行った。 次に、オンラインリサーチ会社の登録モニターである一般若年女性(20~34歳)を対象にHDSQの原項目を用いた調査を実施し、203名から有効回答を得た。分析の結果、HDSQは1因子構造であることが示された。また、ダイエットの自覚的認知がある群の方がない群よりも有意にHDSQの得点が高いことが明らかとなった。しかし、ダイエットの自覚的認知がない者の中にも、HDSQ得点の高い者が混在していることがわかった。 続いて、一般若年女性(20~34歳)を対象に、HDSQとEating Disorder Inventoryの過食尺度を用いた同様のオンライン調査を行い、236名から有効回答を得た。その結果、HDSQは十分な信頼性を有することが確認された。また、HDSQの得点の高低(ダイエット実践の程度)に関わらず、ダイエットの自覚的認知がある群の方がない群よりも、過食傾向が高いことが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
27年度実施予定であった若年女性において実践されている健康的なダイエット方略を測定するための尺度(Healthy Diet Strategies Questionnaire:HDSQ) の作成を行うことができた。また、HDSQを用いて、ダイエットの自覚的認知の有無によるダイエット方略および過食傾向の特徴について検討することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究1-1、1-2の結果をふまえて、研究2として、ダイエットの自覚的な認知とHDSQによって測定されるダイエット行動との相違と気質や認知傾向が、減量や体重維持効果、精神的健康におよぼす影響について検討することを予定している。
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Causes of Carryover |
オンライン調査の実施にあたり、複数の調査会社を比較検討した結果、当初の予定よりも低いコストで調査を実施することが可能となったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究2においてオンラインによる縦断調査を実施する予定である。また、国際学会への参加、論文による研究成果の公表を行うことを予定している。
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Research Products
(2 results)