2016 Fiscal Year Research-status Report
ダイエット実践における自覚的認知と行動の相違が減量効果と精神的健康に及ぼす影響
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26780399
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Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
矢澤 美香子 武蔵野大学, 人間科学部, 准教授 (40635710)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ダイエット / 若年女性 / 自覚的認知 / 過食 / 痩身願望 / 気質 / 精神的健康 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、若年女性を対象に、“自分はダイエットをしている”という自覚的認知と実際のダイエット行動との一致、不一致に着目して、個人の心理特性と精神的健康やダイエット効果との関連性を明らかにし、個人差を考慮した効果的なダイエット方略についての新たな情報提供に繋がる知見を得ることを目的とした。 28年度は、研究1において作成された「健康的なダイエット方略チェックリスト(the Checklist for Healthy Diet Strategies:C-HDS」の信頼性、妥当性の検討およびC-HDSと過食傾向、痩身願望との関連性についての研究成果を「日本パーソナリティ心理学会第25回大会」および「8th World Congress of Behavioural and Cognitive Therapies」にて発表した。 また研究2-1として、ダイエットの自覚的認知とC-HDSによって測定されるダイエット行動との相違および気質〔行動抑制系(Behavioral Inhibition System)、行動賦活系(Behavioral Activation System)〕、痩身願望、過食傾向の各変数との関連性について検討するため、一般若年女性(20~34歳)を対象にオンライン調査を実施し、318名から有効回答を得た。分析の結果、ダイエットの自覚的認知のある群の方が、行動抑制系と行動賦活系の駆動の得点が高い傾向にあった。また、C-HDSの得点が高い群の方が、行動賦活系の「駆動」「刺激探求」の得点が高いことがわかった。さらに、C-HDSの得点が高く且つダイエットしているという自覚的認知がある場合に、痩身願望、過食の得点が高くなることが明らかとなった。したがって、ダイエットの自覚的認知と行動の相違に着目し、気質を考慮したダイエットのアプローチを検討することが有用であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2016年度の学会における成果発表を踏まえ、研究2における使用尺度の再検討など研究計画の見直しを要したため、後続の調査実施や研究成果の論文化に遅れが生じた。したがって、2016年度は研究2の横断調査の実施にとどまったため、補助事業期間延長の承認を得て、縦断調査を次年度に実施する予定となった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究2-1の調査結果から示唆された、ダイエットの自覚的な認知と健康的なダイエット行動の実践との相違が、気質や痩身願望、過食傾向の違いと関連性があることを踏まえて、今後は縦断調査を実施し、これらの変数間の因果関係やダイエットの減量効果に及ぼす影響について検討していく。
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Causes of Carryover |
複数の業者を比較検討した結果、英文の校閲やオンライン調査の実施において、当初の予定よりも低いコストで行うことが可能となったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究2-2のオンラインによる縦断調査において十分なデータ数を確保する必要があるため、その費用とする。また、研究成果の公表のため、国際学会への参加、論文作成における校閲等の費用として使用する。
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Research Products
(2 results)