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2014 Fiscal Year Research-status Report

抑うつ傾向と外的刺激への注意持続による気分改善効果の関連

Research Project

Project/Area Number 26780401
Research InstitutionRissho University

Principal Investigator

伊里 綾子  立正大学, 公私立大学の部局等, 講師 (20712897)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywords抑うつ / 注意
Outline of Annual Research Achievements

平成26年度は、「抑うつ者は自発的に外的刺激やポジティブ刺激に注意を持続させることによる気分の改善ができない」という仮説を検証するために、研究1を実施した。具体的には、音楽によってネガティブ気分、もしくはポジティブ気分を誘導し、抑うつ傾向が高い群(抑うつ高群)と低い群(抑うつ低群)に、気分誘導に続く注意課題における刺激への注意持続とそれによる気分の改善に差があるか否かを検討した。
現在、ネガティブ気分誘導群40名とポジティブ気分誘導群40名(大学生および大学院生)のデータを収集している段階である。途中経過として、ネガティブ気分誘導群33名を対象とした分析を行ったの結果、抑うつ低群は抑うつ高群に比べ、音楽による気分誘導に敏感に反応しやすく、音楽によって快感情が減少しやすいことが明らかになった。さらに、音楽によって快感情が減少した参加者は、そうでない参加者に比べ、外的刺激に注意を持続させやすいことが明らかになった。このことは、抑うつ傾向が高い者は音楽などの外的刺激によって気分が変動しにくいことを示唆している。一方で抑うつ傾向が低い者は刺激によって敏感に気分が変動しやすいものの、自発的にさらなる刺激を取り入れることによって変動した気分を元の状態に戻そうとする傾向がある可能性を示している。
このような実験によって抑うつ傾向が低い者と高い者の気分改善のための認知過程の違いを検討することは、大うつ病患者における気分改善のための介入方法への示唆を得るために非常に重要と考えられる。この結果はあくまで途中経過であるため、今後は参加者を増やし、ポジティブ気分誘導群との比較も含めさらなる検討を加えていく。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

実験参加者の募集において、参加希望者数が予想を下回ったため、「抑うつ者は自発的に外的刺激やポジティブ刺激に注意を持続させることによる気分の改善ができない」という仮説を検証するための研究1の実施がやや遅れている。参加希望者数が予想を下回った原因としては、卒業論文等のための実験実施が集中する秋から冬にかけて募集を行ったため、参加希望者が他の研究に分散してしまったことが考えられる。さらに、実験室の予約が混み合い、予約を取りにくい状況にあったことも実験実施がやや遅れた理由である。「抑うつ傾向の高い者において意識的に外的刺激に注意を維持することによる気分改善がみられるか否か」を検討する研究2は、研究1の結果を受けて実施するため未実施である。研究1において予定していた参加者数が集まる目途は立ったため、今後も継続して実験を行う。

Strategy for Future Research Activity

注意課題の生態学的妥当性を検討する研究3は、研究1が実施中であっても実施できるため、研究3と研究1を並行して実験を開始し、平成27年度の6月から11月にかけて実施する。さらに、研究2に関しては研究1の結果を受け、研究計画の変更も含め検討していく。具体的には、研究1の結果、抑うつ低群にみられた認知的処理の特徴を、抑うつ高群が意識的に行えるような操作を加え、その効果を検討する。時期としては、研究1を平成27年度7月までに完了させ、研究2を平成27年度10月から開始できるよう計画を進めていく。

Causes of Carryover

実験参加者数が予想を下回ったことによって、人件費および謝金の使用額が予定額を下回り、次年度使用額が生じた。実験参加者数が予想を下回った原因としては、卒業論文等のための実験実施が集中する秋から冬にかけて募集を行ったため、参加希望者が他の研究に分散してしまったことが考えられる。さらに、実験室の予約が混み合い、予約を取りにくい状況にあったことも実験実施がやや遅れ、謝金および人件費の使用が少なくなった理由である。

Expenditure Plan for Carryover Budget

平成26年度の残額を次年度以降の実験実施のための人件費と謝金として使用する。平成26年度に実験実施のために必要なパソコン等の機材はおおよそ購入を完了したため、次年度は主に実験の人件費と謝金および、研究成果の公表のための旅費や校閲費に予算を用いることとする。

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Published: 2016-06-01  

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