2014 Fiscal Year Research-status Report
エイズ相談の利用を促進する予防的介入方法の開発と評価
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26780403
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Research Institution | Yamanashi Eiwa College |
Principal Investigator |
飯田 敏晴 山梨英和大学, 人間文化学部, 助教 (50637923)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | HIV/AIDS予防 / エイズ相談利用の利益性・障がい性認知 / 尺度作成 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、A県の当局の全面的協力を得て、2014年9月から同年12月までの間(三ヶ月間)、同県内の全保健所のエイズ相談・検査利用者の全数に調査票を配布した。同調査では、利用後の「ポジティブ・ネガティブな結果」について自由記述式アンケートを配布した(調査1)。これは、「エイズ相談利用の利益性・障がい性認知尺度(仮)」作成のための項目収集を目的とした。郵送によって回収された47名分の自由記述文を、飯田・佐柳(2014)の仮説的な分類基準に基づいて分類した。そして、その反応頻度と回答内容を検討した。 一方で、初年度研究を進めていくなかで、本尺度の項目収集の段階から未利用者からも回答を収集することが有益であると考えられたため、当初の実施計画を修正することとした。具体的には、エイズ相談・検査利用者調査とほぼ同様の質問紙を用いて、未利用者を対象とした調査を行った。質問紙は利用者を対象として作成されたものであるために、まず、未利用者にこの質問紙が適用可能かの検討後(調査2)、次の調査として、調査1における調査協力者と同年代の者を対象として調査会社が保有する調査サンプルの600名からの協力を得てWEBでのアンケート調査を行った(調査3)。その結果、20代から60代のほぼ均一の取れた年齢層から回答を得ることができた。現在、利用者と未利用者の反応頻度及び回答内容を比較中である。 平成26年度は、以上3つの調査を行った。当初の研究計画からを若干修正する必要はあったが、エイズ相談・検査利用者だけではなく、未利用者をも含めた大規模な調査を行ったことで、より精緻化された「エイズ相談利用の利益性と障がい性認知」尺度の作成が可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度計画の修正はあったが、大人数からの調査協力が得られたことにより、質的研究法だけではなく量的研究法をも用いて「エイズ相談の利用に際して利益あるいは障がいと捉えやすい認知特徴」を検討することが可能となった。このことは、本研究の目的からして、今後の二年間にわたる本研究のスピードを、より加速化させ、さらに、より精緻化させることにつながると考えられる。以上のことから、達成度として、「おおむね順調に進展している」と自己申告する。
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Strategy for Future Research Activity |
2015年5月中にこれまで収集したデータの解析が終了する見込みである。エイズ相談利用の利益性・障がい認知尺度のβ版作成あ、現在最終段階にある。6月には、予備的調査によって、β版の項目表現のチェックし、その後7月に大人数を対象とした質問紙調査を行いうことで、尺度の信頼性と妥当性を検討する予定である(研究1)。さらに、10月までに、エイズ相談利用に係る規定要因の解明に関する研究として、先行研究で関連が指摘されてきた変数ととともに、上記尺度を加えたアンケート調査を未利用者と利用者を対象とした調査に着手する(研究2)。調査期間終了後、そこでの解析結果に基づいて、研究3である予防的介入のためのリーフレット(原案)作成に着手する(研究3)。
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Causes of Carryover |
大きな理由としては、研究手法の修正により人件費が縮小したためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度、昨年度研究成果に基づいて複数の学会で発表予定であるとともに、複数の調査計画がある。次年度使用額については、これに充当させたい。
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