2015 Fiscal Year Research-status Report
小学生から高校生までの不適応プロセス研究:多次元的アセスメント開発と予防的介入
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26780404
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Research Institution | Kinjo Gakuin University |
Principal Investigator |
鈴木 美樹江 金城学院大学, 人間科学部, 助教 (20536081)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 心理アセスメント / 心理学的介入 / 学校臨床 / 不適応 / プロセス / 小学生 / 中学生 / 高校生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、学校場面における小学生から高校生を対象とした1次・2次・3次予防に対応した多次元的アセスメント開発(質問紙法・描画法・SCT法)、および包括的な予防的介入プログラムを開発・検証することを目的とするものである。この目的に沿って今年度は以下を実施した。 1)尺度研究:小学校において、小学生版不適応プロセス尺度を実施し、横断的調査と縦断的調査による学年差と性差について検証を行った。また、不適応プロセス尺度の下位尺度間の関連や影響過程について縦断的調査を用いて検証を行った結果、不適応要因が起因となり不適応徴候に移行しているロセスが支持された。本研究結果は、日本心理臨床学会にて発表を行った。 2)描画研究:S-HTPテストの描画面積とパーソナリティ特徴との関連について検証し、論文化した。また、S-HTPテストの印象評定尺度を作成し、その信頼性と妥当性について検証を行い、論文化した。 3)SCT研究:学校適応に関するSCT(Sentence Completion Test)研究を実施し、不適応高群と低群とでは、クラブ・通学班・クラスの友達・SC・教師におけるイメージの差異が見られるかについて検証し、日本心理臨床学会にて発表予定である。 4)予防的研究:中学生を対象に視点取得に着目した自尊心向上のための心理教育を実施し、検証した。その結果、心理教育を実施することにより,とくに問題への直面化が高い生徒ほど,自尊感情が向上していることが明らかとなった。本研究結果は国際学会にて発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成27年では、開発した尺度を用いて、小学生の不適応プロセスについて明らかにすることができた。また、S-HTPやSCT調査を実施し、不適応傾向との関連についても検証済みである。予防的研究についても、心理教育プログラムの効果検証を行った。なお、具体的なこれまでの研究全体の成果としては、関連論文8編、学会発表10編と精力的に学術的発信を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度では、中学生版不適応感尺度開発に関する研究および中学・高校生における不適応プロセスの相違について検証する予定である。また、描画研究では、S-HTPの印象評定結果と不適応状態との関連について調査する。予防的介入研究では、SCT研究の結果を参考にして、不適応傾向の高い生徒への心理的援助方法について検討する予定である。
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Causes of Carryover |
データ入力等を協力者の方にお願いする予定であったが、スキャネット用紙等を用いて効率化を図ることで、その分の謝金が発生しなかったため、次年度未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
スキャネット用紙代に当てる予定である。
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Research Products
(10 results)