2014 Fiscal Year Research-status Report
ロールシャッハ法における色彩ショックの発生メカニズム解明と、解釈法の整理
Project/Area Number |
26780407
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
安田 傑 関西学院大学, 文学部, 助手 (40631966)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ロールシャッハ / 色彩ショック / 眼球運動 / 不安 / 抑うつ / ドットプローブ課題 / 文献研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の第一の目的は、臨床での経験知によって有用性が支持されてきた色彩ショックのメカニズムを、知覚心理学の理論に基づき説明することであった。また、第二の目的は、色彩ショックの指標と解釈仮説を整理し、その有用性を高めることであった。 第一の目的を達成するために、まず、ロールシャッハ法実施下における眼球運動についての研究を対象とする文献研究を行った。そこから得られた知見について、平成26年度には国内学会大会での発表を1回行った。また、国内学術雑誌に2本の論文を投稿しており、うち1本は採択、もう1本は修正再審査の査読結果を得ている。 第二の目的を達成するために、眼球運動測定に関する機器の購入と設定を行い、実際に大学生20名からロールシャッハ法の反応と反応産出時の眼球データを収集した。また、色彩ショックにより測定される状態・特性は、自己報告式課題の結果よりも成績基準式課題の結果と強く関連するかどうか(すなわち収束的妥当性の程度)を検証するため、成績基準式課題の一種であるドットプローブ課題と、自己報告式課題の一種である質問紙も実施した。これらのデータに関しては未だ分析途中ではあるが、平成27年度中に国内学会大会にて発表する予定である。 さらに、第一・第二の両目的に関連する研究として、色彩ショックと類似した概念である濃淡ショックとの性質の違いを明らかにすることを目指し、濃淡反応の有無と眼球運動の関連性を比較した。この研究から得られた知見について、平成26年度の国際学会大会で発表を1回行った。更に、国際学術雑誌に論文1本を投稿し、受理されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度中には、健常群を対象とした色彩ショックのデータの収集を行う予定であったが、実際に20名からデータを収集できたことから、概ね予定通りの進行状況であると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り、これまでに得たデータの分析を行い、色彩ショック指標の整理を行う。
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Causes of Carryover |
実験方法の工夫により、当初の予定よりも人件費が安価になったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
データ整理用具(ファイルなど)の購入に使用する
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Research Products
(4 results)