2016 Fiscal Year Research-status Report
海馬局所ネットワーク回路におけるオシレーションメカニズムの検討
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26780411
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
鈴木 江津子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (60424313)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 海馬 / オシレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、アセチルコリン受容体の作用薬であるカルバコールを灌流投与し、海馬CA3野錐体細胞の膜電位変化及び活動電位の発生頻度の変化を検討した。マウス脳より急性海馬スライス標本を作製し、海馬CA3錐体細胞からホールセルパッチクランプ法を用い、CA3野錐体細胞の膜電位変化と活動電位の発生頻度を記録した。カルバコール(20 μM)を潅流投与することによりCA3野錐体細胞の活動電位の発生頻度が増加した。また、単発の活動電位だけではなく、カルバコール投与前には見られなかったバースト状の活動電位の発生が認められた。この活動電位頻度の増加は、カルバコールを投与している間は断続的に続いた。カルバコール投与後の活動電位の発生頻度は、主にシータオシレーション帯域(4~8 Hz)での増加が見られたが、カルバコール投与前には見られなかったガンマオシレーション帯域での高頻度の発火活動(30~60 Hz)も発生した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アセチルコリン受容体作用薬であるカルバコールを投与することにより、海馬CA3野錐体細胞の活動電位頻度増加が認められ、またバースト状の活動電位の発生が見られた。この活動電位頻度の増加及びバースト状の活動電位は、シータオシレーション帯域およびガンマオシレーション帯域で見られた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、カルバコール投与により誘導される活動電位発生頻度の上昇とバースト状の活動電位発生について、各グルタミン酸受容体の選択的阻害薬を用いることでグルタミン酸受容体の関与を検討する。
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Causes of Carryover |
試薬等の消耗品の使用量を見直し、想定していた金額よりも低く抑えられたため。また、グルタミン酸受容体に関する試薬の購入を見送ったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度購入を見送ったグルタミン酸受容体の阻害薬の購入を予定している。
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