2017 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanism of oscillation in the hippocampal microcircuit
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26780411
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
鈴木 江津子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (60424313)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 海馬 / オシレーション / カルバコール / カイニン酸受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、ガンマオシレーションの発生におけるカイニン酸受容体の関与について検討した。急性海馬スライス標本を作製し、アセチルコリン受容体作用薬であるカルバコール(20 μM)を潅流投与することによりシータオシレーション(4~12 Hz)およびガンマオシレーション(30~80 Hz)を誘導した。細胞外液の潅流温度は33から35度とし、海馬CA3領域の錐体細胞より、ホールセルパッチクランプ法を用いカレントクランプモードにて活動電位の発生を記録した。カルバコール投与前は、1 Hzから3 Hzでの活動電位の発生が観察された。カルバコール投与によりシータオシレーション帯域での活動電位の発生が誘導された。また低頻度ではあるがガンマオシレーション帯域での活動電位の発生も誘導された。これまでの研究から、ガンマオシレーションの発生にはイオンチャネル型グルタミン酸受容体のうちカイニン酸受容体が関与すると考えられる。そこで、カイニン酸受容体を構成するサブユニットの1つであるGluK2を含むカイニン酸受容体阻害薬であるUBP310(3 μM)をカルバコール投与前に投与した。UBP310投与のみでは、海馬CA3錐体細胞の発火活動に変化はみられなかった。続けてカルバコールを同時投与したところ、ガンマオシレーション帯域での活動電位の発生頻度が抑えられる傾向がみられた。一方で、シータオシレーション帯域での活動電位の発生頻度が増加した。これらの結果は、シータオシレーション中に発生するガンマオシレーションにカイニン酸受容体が関与することを示唆する。
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