2016 Fiscal Year Annual Research Report
Neural circuit of the serotonin for promoting reward waiting behavior: Examination by optical stimulation
Project/Area Number |
26780423
|
Research Institution | Okinawa Institute of Science and Technology Graduate University |
Principal Investigator |
宮崎 佳代子 沖縄科学技術大学院大学, 神経計算ユニット, 研究員 (80426577)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | セロトニン / 報酬待機行動 / 光刺激 |
Outline of Annual Research Achievements |
神経伝達物質の一つであるセロトニンは衝動性を生み出す神経基盤の中で重要な役割を担うことが示唆されているが、現在までその機能における統一的な見解は得られていない。申請者らの先行研究において、遅延報酬待機行動中マウスの背側縫線核(セロトニンニューロン起始核の一つ)を光遺伝学の手法を用いてセロトニンニューロン選択的に刺激すると、待機行動が促進されるという結果を得た。本研究は背側縫線核セロトニンニューロンが強く投射している脳部位のうち次の3つの領域 内側前頭前野、前頭眼窩野或いは側坐核に注目し、特に遅延報酬待機行動の促進に重要な領域を検証する。現在までのところ次の結果を得ている。 各投射先脳部位への光刺激により、その領域へ投射するセロトニンニューロンが活性化されることをマイクロダイアリシスの実験で確認した。その後マウスが遅延報酬待機行動中、前頭眼窩野、側坐核それぞれの場所で光刺激を行った。この結果光刺激により遅延報酬待機行動が促進される脳部位そうでない脳部位が存在することが明らかになった。さらにその促進作用はセロトニンニューロンの起始核である縫線核への光刺激で生じるものとは少し異なる様相を呈した。このことについて更に詳しく調べるため、現在も実験を継続中である。 我々は報酬待機行動を促進させるセロトニンに関して、脳全体へのセロトニン放出というよりも、特定脳部位への投射が重要であろうと考えた。これまでの研究成果は我々の推測に合致している。さらに詳細に調べ、自制心を働かせ報酬をじっと待つことができる辛抱強さを作り出す脳内回路を明らかにし、衝動性を生み出す神経基盤の解明に貢献したい。
|