2017 Fiscal Year Annual Research Report
The Research About Competency in Ontario School, Canada
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26780425
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
森本 洋介 弘前大学, 教育学部, 講師 (20633613)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | コンピテンシー / カナダ・オンタリオ州 / メディア・リテラシー / 学力テスト |
Outline of Annual Research Achievements |
本科研の最終目標は、カナダ・オンタリオ州における「学力」(コンピテンシー)がどのように定義され、実際にどのように教育現場でその育成が目指されているのかを明らかにしようとすることである。研究計画前半の2年間では「コンピテンシー」や「21世紀型スキル」とメディア・リテラシーを概念的に比較し、メディア・リテラシーを含めた「学力」(コンピテンシー)を育成するオンタリオ州の教育政策と、その獲得を評価するためのシステムについて整理した。オンタリオ州はテストで測ることのできる「学力」と、教師が日常的に子どもを観ることで評価する「学力」を区別して扱っていることがわかった。後半の2年間は、研究計画ではPISA等の「21世紀型スキル」とオンタリオ州の「学力」(コンピテンシー)の比較を行う予定であったが、オンタリオ州における「学力」(コンピテンシー)に対する考え方と、学力保障のシステムについてより詳細に明らかにしていく方が今後の研究にもつながると考えた。 最終年度では特にオンタリオ州で学力テストを統括する「教育の質とアカウンタビリティに関するオフィス」にコンタクトをとり、実際に作業に参加した教員と集団でのインタビュー(座談会形式)を行った。受験者数が日本とオンタリオ州では大きく異なるとはいえ、オンタリオ州では現役教師や退職教師などが採点を行っている。テストのあり方や採点方法に賛否があるとはいえ、オンタリオ州方式のテスト運営は現在の日本を相対化するための1つの視点を提供しうる。 また本科研のタイトルに含めた「学力」(コンピテンシー)を育成するために大きな役割を果たすのは教員であると言っても過言ではない。オンタリオ州では2015年から教員養成課程が改革され、教員養成の内容が変わってきている。そこでオンタリオ州の教員に求められる資質・能力とは何かを探るための情報収集を行った。
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